■高校時代に所属していたワンゲル部の夏山合宿。初めての北アルプスであった。■当時、上高地への道路は、釜トンネル以外にも道幅が狭い区間があり、対向車との擦れ違いのため車が詰まって動けなくなること数回。■上高地から横尾まで梓川沿いの林道歩きであるが、背中の荷は重く、初日の徳沢まで行くのもしんどかった。■この頃は、まだ家形テントを利用していた。内部は広いが、畳んだ時大きくて重たい。現在山で見かけることはまずないが、当時は他にも家形テントを利用しているパーティーがいくつかあった。■横尾から涸沢への登りも辛かった。特に、本谷橋を過ぎて涸沢の焼却炉の煙突のようなものが見えてから、着きそうでなかなか着かずきつかった。■涸沢をベースにして、北穂高岳と奥穂高岳に登りに行った。天気はずっと快晴で、初めて見る雲海や3000m峰からの眺望は非常に感動的だった。■夜空の星もすごかった。天の川や流れ星を見たのは、生まれて初めてだった。■奥穂高岳をピストンした後、テントを撤収して横尾まで下りた。■横尾を夜中の1時頃出発して、真っ暗な登山道をヘッドランプの明かりを頼りにして登り、蝶ケ岳頂上で御来光を拝んだ。日が出るまでとても寒かった。■当時は自宅以外の場所で5泊もしたことはなく、長くて苦しい合宿だった。途中で早く家に帰りたいとさえ思っていた。しかし、それまでに経験したことのない様々な新しい体験をすることができて、今思えば深く印象に残る山行の1つであると言える。(2001年3月21日記載)
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