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■雨川砂防ダムの上流の橋を渡ると、左に滝ケ沢林道が分岐し、ここが榊山への登山口となる。右に行くと、すぐに道は二手に分かれ、左は田口十石峠林道の入口で「林道 田口十石峠線 管理者佐久市」と書かれた古い標識がある。右は不老温泉跡で、奥の広場は過去に湖月荘という施設があった場所だが、現在はプレハブ小屋があり、資材置場のようになっている。この片隅に車を置いて出発する。■滝ケ沢林道の入口にはゲートがあり、一般車両は進入できない。「日本で一番海から遠い地点案内図 日本海・太平洋から直線で114キロ余」と書かれた看板があり、日本で海から一番遠い地点まで林道1300m、歩道1002mと書いてある。また、「お知らせ（注意） 海から一番遠い地点までの遊歩道は、昨年の台風9号の影響で倒木と土砂崩落により危険な箇所があります。入山の際は十分ご注意ください。」とか「お知らせ 山ですので動物と（熊など）出会わないとは限りません。音の出るものを携帯してください。佐久市観光課」、「クマ出没注意！ クマがこの近辺に出没していますので、注意しましょう 佐久市」と書かれた貼紙もある。■ゲートには「銃猟者立入禁止 この付近の国有林では現在作業中です。危険防止のため銃猟者の立入を禁止します。東信森林管理署」と書かれた表示もあり、今日歩く付近で狩猟は行われていないことが分かって一安心する。■ゲートを過ぎて少し行くと、道端に壊れかけた作業小屋がある。ここまで雪上に轍があり、数日以内に車が入ったようである。■ゲートから10分ほど行くと、左に林道が分かれる。「滝ケ沢支線林道」と書かれた標柱があり、直進方向が本線で、左は支線のようである。「海から一番遠い地点まで1,800m」と書かれた道標もあり、これに従って左折する。■林道は沢沿いを行くようになり、分岐から約15分で林道終点に着く。「日本で一番海から遠い地点案内図」と書かれた略図付きの看板があり、ここから登山道に入る。■センガ沢という沢沿いの登山道を緩やかに登っていく。■林道終点から10分くらい歩き「海から一番遠い地点まで650m」の道標を見ると、徐々に沢筋は細くなり、積雪のため沢水も見えなくなる。無雪期は岩や倒木が転がっていて歩きにくそうな雰囲気である。■「海から一番遠い地点まで100m」の道標を過ぎると、沢から離れ、5分ほどで日本で海から一番遠い地点に到着した。「日本で海岸線から一番遠い地点」と書かれた標柱と看板があるだけの山の斜面で、特に眺望も得られない。■日本で海から一番遠い地点から5分くらい登ると、県境の稜線上に出た。ここで左折して少し登ると石柱のある小ピークに着いた。ここまで雪上に踏跡があったが、ここで引き返しているようで、この先はトレースは見られなかった。■小ピークから緩やかに下った後、前方に見える標高約1570mの丸いピークまで登り返す。稜線は幅が広く、歩きやすい所を選んで登っていく。「←左の耳ケイユ榊山」と書かれた道標や目印があるので、これらを拾いながら進む。■県境の稜線上に出てから約15分で標高約1570mのピークに着く。ここには「県境 左の耳」と書かれた標識がある。地図を見ると、この付近は群馬の県境が動物の耳のように突出しているので、ここを「左の耳」と呼んだようである。■左の耳では、三角点のような石柱が雪面から頭を出していた。■左の耳から北に進む。わずかに下って登り返した所が榊山頂上であるが、榊山頂上を示す標識と三角点は最高点から北へ下り気味に少し進んだ所にあった。■榊山頂上は木々に覆われていて眺望は無いが、冬枯れで樹間に荒船山や霊仙峰、小唐沢山などを望むことができた。■榊山頂上から北方の尾根を下れば、雨川砂防ダムから田口峠へ向かう県道に出ることもできそうに思えたが、今回は元来た道を忠実に戻った。■日本で海から一番遠い場所までは道標も多く、ある程度人も入っているようである。その先は尾根が広い場所もあり、若干注意が必要であるが、迷うことはないと思う。■山中では人に会うこともなく、静かな山歩きを楽しむことができた。（2014年2月2日記載） |
