2014年9月20日(土)

安達太良連峰

鉄山 安達太良山 船明神山

9月20日 晴〜曇

沼尻登山口645 →歩→ 沼尻元湯725−730 →歩→ 胎内岩820−830 →歩→ 鉄山避難小屋910 →歩→ 鉄山920−925 →歩→ 馬ノ背940 →歩→ 安達太良山1000−1015 →歩→ 馬ノ背1025 →歩→ 船明神山1040−1055 →歩→ 障子ケ岩1135 →歩→ 沼尻登山口1220

日帰り 単独

2週間前に、猫魔ケ岳頂上で会った地元の人から安達太良山の沼尻から周回するコースが良いという話を聞いて、どうしても行ってみたくなり出かけることにする。沼尻スキー場の中の未舗装道を進み、沼尻登山口に車を停める。沼尻登山口から硫黄川沿いの山道と尾根に向かう登山道があるが、硫黄川沿いの山道に入る。入口には「立入り禁止 源泉地内硫化水素ガスが発生しており危険ですので立入りを禁止します。万が一、立ち入って身体に支障をきたしても当社の責任外とします。中ノ澤温泉株式会社」や「危険 この先、温泉源付近は致死量の有毒ガスが発生しており非常に危険です。登山道以外には絶対に立ち入らないで下さい。なお登山道についても速やかにお進みください。会津森林管理署 猪苗代町 猪苗代地区山岳遭難対策協議会」と書かれた看板があり、気が引き締まる。山道に入るとすぐに小屋があり、作業用の索道がある。山道は、沼尻元湯から温泉を輸送するパイプラインに沿って付けられている。パイプを触ると暖かい。沼尻登山口から10分くらい進み平均台のような橋を通過すると、白糸ノ滝が見える場所に着く。沢沿いの山道を進んでいくと、平均台のような橋がもう1箇所あった。沼尻登山口から25分ほど行き、木製の索道の支柱の下を回り込むと、行く手に沼尻鉱山跡が見えてくる。索道に沿って進んでいくと、パイブラインを中継する木製の箱のような物があり、中を覗くと硫黄泉が流れている。前方に見える作業小屋を目指して歩いていくと、山道に湯が湯気を上げて流れるようになる。作業小屋の右下にパイプラインを中継する背より高い箱があり、ここから湯が蒸気を上げて勢いよく流れ出ている。なかなか迫力がある。この先でわずかに登ると作業小屋に着いた。ここは索道の終点のようである。沼尻登山口から30分くらいだった。作業小屋から沢の右岸に付けられた山道をたどる。パイプラインは沢の中へ続いている。山道に沿ってパイプラインから分かれた木製の樋があるが、湯の花を採取するために利用されているのかもしれない。先ほどの作業小屋から5分くらい行くと、再び作業小屋が現れる。その手前には崩壊した小屋の跡があるが、大正時代まで営業していた旅館の跡らしい。作業小屋の先には沼尻登山口にあったのと同じ看板があり、立入禁止となっている。周辺は硫化水素の臭いが立ち込めている。作業小屋から少し戻り、沢の右岸の一段高い所に付けられている道を進む。この付近が沼尻元湯という沼尻温泉の源泉地であり、全容を望むことができる。入湯できそうな湯溜まりもある。沢沿いの道を進んでいく。左側の斜面は不安定そうに見え、「落石注意 この先、崩落の恐れがありますので、十分注意を払い速やかにお進みください。猪苗代町 猪苗代地区山岳遭難対策協議会」と書かれた看板もある。沼尻元湯から10分ほどで沼ノ平への分岐に着く。沼ノ平方面は通行止である。「沼ノ平立入規制 安達太良山沼ノ平において、平成九年九月、有毒な火山ガスによる遭難死亡事故が発生しました。沼ノ平周辺では、有毒な火山ガスや高温の泥水が噴出しており、非常に危険ですから、この先へは絶対に立ち入らないでください。」と書かれた看板があり、ロープが張ってある。沼ノ平への分岐から左方の斜面に向かう。大きな岩にペンキで「胎内岩新コース←」と書かれているのが微かに読める。別の岩には「胎内登山口」とも書かれている。「胎内岩を経て鉄山」と書かれた道標もある。荒涼とした斜面を登っていくが、やがて道は低木帯の中に入っていく。眺めの良い箇所もあり、振り返ると川桁山や磐梯山、秋元湖、沼尻元湯付近などを望むことができる。上方に見える胎内岩を目指して登っていくと、沼ノ平への分岐から約40分で胎内岩の基部に着く。ペンキの印に従って回り込むと、胎内潜りと言われる小さな岩穴を通過して、胎内岩の上部に出る。周囲の眺望が開ける。胎内岩の上部に出ると道は緩やかになるが、南側が足元から切れている箇所があるので注意を要する。展望を楽しみながら進んでいく。胎内潜りから20分くらいで標高1642m地点を通過する。この辺りも眺めがすばらしく、船明神山や沼ノ平、箕輪山、吾妻連峰などの眺望が印象的である。標高1642m地点から緩やかに下って登り返すと、飛行機のプロペラを使用した「石楠花の塔」という慰霊碑がある。1958年にこの地で墜落した自衛隊機の犠牲者を慰霊するために作られたということである。石楠花の塔から5分ほどで鉄山避難小屋に到着した。鉄山避難小屋から南へ10分も行くと鉄山頂上に着いた。鉄山から稜線を南下して安達太良山に向かう。安達太良山は人気の山で、頂上付近は多くの人達で賑わっていた。1年前に来た時に倒れかけていた安達太良山頂上の三角点は修復されていた。安達太良山頂上から元来た道を戻り、途中の分岐から船明神山に向かう。鉄山から船明神山にかけては過去に何度か通った道である。船明神山頂上から沼尻を目指す。右手に沼ノ平や胎内岩を見ながら西へ稜線をたどる。船明神山の頂上部から岩稜を回り込むようにして下っていくと、船明神山頂上からも見える小さな池の畔に着く。船明神山頂上から20分ほどだった。アルプスのような雰囲気の漂う好ましい場所である。池を過ぎると、道は稜線の南側の低木帯を巻いていく。少し行くと再び稜線上を行くようになるが、右側は切れている箇所もあるので注意する。途中で休憩するのに適した眺めの良い小広い場所があるが、この付近が障子ケ岩のようである。絶壁上でなかなか高度感がある。さらに西に向かうと、やがて道は樹林の中に入っていく。眺望もこの辺りで終わりとなり、急激に高度を下げていく。船明神山から約1時間で沼尻元湯への分岐に着く。眼下に沼尻元湯の全容を俯瞰することができる。分岐から勾配が緩くなり、10分ほどで白糸ノ滝が見える地点を通過する。さらに5分くらい行くとフェンスのある展望台のような場所があるが、ここからは木々が茂っていて白糸ノ滝はよく見えない。なおも5分くらい進むと柵とベンチのある展望台に着く。白糸ノ滝を望むことができるが、沼尻登山口から直接沼尻元湯に向かう山道からの方が白糸ノ滝はよく見える。展望台から整備された登山道を5分も下ると、スタート地点の沼尻登山口に到着した。沼尻登山口には、17年前の火山ガスによる遭難事故の慰霊碑がある。事故があった日付は9月15日、つまりちょうど5日前ということで、たくさんの花が飾られていた。帰りに沼尻温泉の老舗旅館で入湯してから、帰途に就いた。とてもいい湯だった。沼尻から沼ノ平を周回してきたが、アルペンムードの漂う変化に富んだ良いコースだった。期待を全く裏切らなかった。(2014年10月5日記載)



白糸ノ滝1(2014年9月20日)


白糸ノ滝2(2014年9月20日)


白糸ノ滝3(2014年9月20日)

沼尻元湯に向かう途中で周囲の山を望む(2014年9月20日)


沼尻鉱山跡付近にて1(2014年9月20日)


沼尻鉱山跡付近にて2(2014年9月20日)


沼尻鉱山跡付近にて3(2014年9月20日)


沼尻鉱山跡付近にて4(2014年9月20日)


沼尻元湯にて1(2014年9月20日)


沼尻元湯にて2(2014年9月20日)


胎内岩に登る途中で沼尻元湯を見下ろす(2014年9月20日)


胎内岩を見上げる(2014年9月20日)


胎内岩付近から船明神山方面を見る(2014年9月20日)


胎内岩付近にて(2014年9月20日)


胎内岩上部からの眺望1(2014年9月20日)


胎内岩上部からの眺望2(2014年9月20日)


胎内岩上部から沼尻元湯方面の眺望(2014年9月20日)


胎内岩上部から吾妻連峰を望む(2014年9月20日)


胎内岩上部から箕輪山を見る(2014年9月20日)


胎内岩上部から船明神山を見る(2014年9月20日)


標高1642m地点から沼ノ平と周囲の山を望む(2014年9月20日)


標高1642m地点から見た箕輪山(2014年9月20日)


石楠花の塔(2014年9月20日)


石楠花の塔付近から船明神山を望む(2014年9月20日)


鉄山避難小屋(2014年9月20日)


鉄山避難小屋から登ってきた稜線を振り返る(2014年9月20日)


鉄山から箕輪山を見る(2014年9月20日)


鉄山頂上(2014年9月20日)


鉄山付近から船明神山と沼ノ平を見る(2014年9月20日)


鉄山と安達太良山の間から胎内岩方面を望む(2014年9月20日)


鉄山と安達太良山の間で沼ノ平を見下ろす(2014年9月20日)


鉄山と安達太良山の間から船明神山を見る(2014年9月20日)


安達太良山(2014年9月20日)


安達太良山頂上が近づく(2014年9月20日)


安達太良山付近から鉄山方面を振り返る(2014年9月20日)


安達太良山頂上から船明神山を望む(2014年9月20日)


安達太良山頂上の石祠(2014年9月14日)


沼ノ平(2014年9月20日)


船明神山1(2014年9月20日)


船明神山頂上から安達太良山を見る(2014年9月20日)


安達太良山と船明神山(2014年9月20日)


船明神山2(2014年9月20日)


船明神山の池を見下ろす(2014年9月20日)


船明神山の頂上部から障子ケ岩方面の稜線を見る(2014年9月20日)


船明神山の池から沼ノ平と鉄山を望む(2014年9月20日)


船明神山の池(2014年9月20日)


船明神山の池付近から船明神山を見上げる(2014年9月20日)


船明神山と安達太良山を振り返る(2014年9月20日)


船明神山と和尚山(2014年9月20日)


障子ケ岩付近にて1(2014年9月20日)


障子ケ岩付近にて2(2014年9月20日)


障子ケ岩付近から沼ノ平を望む(2014年9月20日)


沼尻元湯を俯瞰する(2014年9月20日)


登山道から白糸ノ滝を見る(2014年9月20日)


展望台から白糸ノ滝を見る1(2014年9月20日)


展望台から白糸ノ滝を見る2(2014年9月20日)



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