■なんもく村自然公園まで車で入り、広小屋山を目指す。広小屋山は「広古屋山」と記すこともあるらしい。■なんもく村自然公園から余地峠に向かう林道を行く。雪上には車が通った跡がある。途中、雪上に血痕があったので、数日前に狩猟の車が入ったものと思われる。■なんもく村自然公園から約20分で1080m地点に着く。「象ケ滝→」と書かれた標識があり、積雪でよく分からないが、右の尾根に山道が分岐しているように見える。余地峠方面はバリケードがあるが、脇にずらしてあり、車の轍が奥に続いている。■標高1080m地点から10分くらい進むと標高約1150m付近で左に余地峠への山道が分岐するので、ここで左折する。■分岐から数分行くと再び幅広の道に出る。雪の上に轍があり、先ほどの林道をそのまま進んでも同じだったようである。■山腹の道を緩やかに登っていく。右手に小唐沢山の鋭鋒を見ながら進んでいくと、やがて余地峠に到着した。■なんもく村自然公園から余地峠まで轍があったが、道幅が狭く、軽トラックか軽四輪駆動車のものと思われる。余地峠まで長野県側からも新しい轍があり、この時期は余地峠を車で越えることができるのかもしれないが、ヤブが張り出している箇所もあり、一般の車では困難であろう。■余地峠には、余地峠であることを示す標柱や「余地峠 佐久穂町」と書かれた貼紙、「馬頭観世音」と書かれた石碑や地蔵があった。「妙義荒船佐久高原国定公園 自然を大切に」と書かれた古い錆びた看板もあった。■余地峠から南東へ尾根を登っていく。右手は植林地のようで尾根に沿って作業道もあるが、尾根上を行く。■余地峠から25分ほどで標高約1400mのピークに着く。立木に「日影山」と書いてあった。余地峠に「日影山国有林」と書かれた看板があったので、この山は日影山と言うのかもしれない。■日影山から西側の尾根に引き込まれないように注意する。先ほどの尾根に沿って付けられていた作業道は西側の尾根の方へ続いているようだった。■県境に沿って尾根を南東方向に進む。県境が南に向きを変える辺りから下りになるが、この付近からヤブが深くなるので、ヤブの無い長野県側を下っていく。■標高1410m地点の手前の鞍部から県境に戻るが、ヤブが深い。ヤブの中にある獣道をたどっていく。この辺りから左下の方になんもく村自然公園の施設が見えた。■標高1410m地点で一旦ヤブを抜ける。ここから方向が分かりにくいが、西に分かれる尾根に引き込まれないように注意しながら県境を進んでいく。■次の小ピークからヤブが深くなるので、ヤブが無い長野県側の樹林の中を県境に沿って南下する。■途中で左側の県境のヤブが切れているように見える所があったので入ってみると、そこが矢沢峠だった。「矢沢峠 標高1.330m さくまち」と書かれた標識があった。2万5千分の1地形図で矢沢峠の記載がある地点よりも少し北側のようだった。■県境は依然としてヤブが深いので、矢沢峠から長野県側に戻り、県境の西側をさらに南へ進む。■2万5千分の1地形図に記載のある矢沢峠を越える道は認められなかった。■前方に斜面が現れるとヤブが出てきて、ヤブの中にある獣道をたどると県境の東側へ逸れていくようなので、進路を修正する。■幅の広い疎林の斜面を登っていくと、やがて広小屋山頂上から北東に延びる尾根上に出た。東の肩と言われる場所である。ここから明るい尾根上を15分ほど緩やかに登ると広小屋山頂上に到着した。■広小屋山頂上は木々で覆われている。広小屋山頂上を示す標識が木に付けられていた。三角点は雪の下だった。■広小屋山頂上でしばらく休憩した後、東の肩まで元来た道を戻る。■東の肩から南東へ県境を下るが、ヤブで方向が分かりにくい。東側の尾根に入りそうになり、山腹のヤブの中をトラバースして進路を修正する。■途中でヤブの中に踏跡のようなものがあり、これを下っていくとヤブを抜けて疎林の斜面を下るようになるが、今度は県境の西側に逸れてしまったようである。しかし、左手の一段高い県境の尾根はヤブが深そうに見えたので、しばらく県境と並行して疎林の斜面を下っていく。■標高1308m地点の手前の鞍部付近からヤブに入り県境に戻る。■県境はやはりヤブが深いが、ヤブの中に獣道があり、これを利用する。■広小屋山頂上から標高1308m地点まで約45分だった。さらに5分ほどで次の小ピークに着き、ここで東に向きを変える。■小ピークからもヤブの中に獣道が続いているが、やがてヤブを抜けて樹林の中を下っていくようになる。■途中で尾根が右に分かれるが、直進方向の尾根を下っていく。徐々に尾根が広くなり傾斜も緩くなると、林道の通る大上峠に到着した。■大上峠には、「妙義荒船佐久高原国定公園 大上峠 信州佐久町」や「林道大上峠開通記念樹」と書かれた石碑や「林道大上線」と書かれた看板や標識がある。傍らには地蔵を祀った小祠もあった。■大上峠から大上林道を下り、出発地点のなんもく村自然公園に戻った。大上林道は舗装されているが、大部分は雪で覆われていた。車は見かけなかったが、雪上に轍があり、冬期も通行可能のようである。■余地峠や広小屋山付近では雪上に足跡が見られたので、何日か前に狩猟に来た人がいたのかもしれない。■矢沢峠の北側や広小屋山と大上峠の間のヤブの中にあった獣道は、落ちていた糞の形や足跡からおそらくシカの通り道ではないかと思う。■矢沢峠付近にはクマの足跡のようなものが多数あった。■なんもく村自然公園は冬期休業中であり、この日も人が来た気配は感じられなかった。大晦日ということもあり、山中では誰にも会わず、当年最後の静かな山歩きを楽しむことができた。(2015年1月20日記載) |