■羽黒下駅の東方に聳える標高1108.1mの三角点峰は、佐久穂町商工会のホームページで大久保山という名前で紹介されており、登りに出かけることにする。■以前、上曽原の奥にある池の畔には曽原ノ湯という温泉があった。現在、住民はいるようであるが、旅館は全て廃業している。ここに車を置いて出発する。■曽原ノ湯跡から奥の方に林道が延びている。入口にゲートがあり、近くには「入山禁止(山菜・きのこ類・樹木等採取の禁止)この地域の山は全山関係者以外許可なく入山を禁止します。」や「松茸山試験地 入山禁止」と書かれた看板がある。それとは別にゲートには「入山者の皆様へ!野生きのこの採取、出荷、摂取をしないようにお願いします。佐久穂町で産出される野生きのこについては、食品中の放射性物質の基準値(100ベクレル/kg)を超える野生きのこが確認されたため、平成25年10月18日付けで長野県知事から採取、出荷及び摂取の自粛要請が、平成25年10月21日付けで原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)から出荷制限の指示が出されています。このため、佐久穂町で産出する野生きのこの採取・出荷・摂取をしないようお願いします。」と書かれた貼紙があった。ここまで原子力発電所の事故の影響が及んでいるようである。■林道に入り、すぐに左側の尾根に取り付く。尾根上に出ると何となく踏跡がある。■尾根筋は明瞭で、尾根に沿って登っていく。手入れの行き届いた松の林がきれいである。■標高1018m地点の直下は若干岩場のようになっているが、左側から回り込んでピークの上に出る。曽原ノ湯跡から標高1018m地点まで約25分だった。■標高1018m地点から東へ下り、続く稜線を緩やかに登っていく。■標高1018m地点から15分くらい行くと、稜線が切り通しのように抉れている所を2ケ所通過する。峠道が稜線を越えているというわけではなさそうである。■ここから10分ほど行くと目の前に岩場が現れた。かなり険しく見え、左右に巻くことも難しそうに見えるが、ここはホールドもあり直登することが可能である。■岩場を登り切った所は大久保山頂上の一角で、すぐ先に三角点があった。点名は「富士腰」である。佐久穂町商工会のホームページによると、大久保山は「富士腰パノラマ台」とも言うらしく、岩場の上からは八ケ岳方面の眺望がとても良かった。■三角点の先には石祠があり、中に祀られているのは木花佐久夜昆売(コノハナノサクヤビメ)の坐像ということである。■大久保山頂上から佐久市と佐久穂町の境に沿って南へ尾根を下っていく。途中でクマの糞のようなものを2回見た。■やがて登りに転じ、登り切った小ピークからは茂来山方面の眺めが良かった。大久保山頂上からここまで約15分だった。■小ピークから東の尾根へ踏跡が分かれているが、今回は南の尾根を下っていく。■小ピークから10分ほど行くと、2万5千分の1地形図に記載のない林道に出た。林道は切り通し状になっていて、尾根を東西に乗り越えている。■2万5千分の1地形図によると、この先の尾根上に山道があり、これをたどると標高954m地点を経て曽原ノ湯跡に戻ることができるようであるが、切り通しから尾根に上がる踏跡は見られず、ここで右折して林道を行くことにする。雪の上には何日か前に車が通ったような跡があった。■先ほど登った大久保山を右手に見ながら5分ほど行くと、前方に小ピークがあり、林道は左へカーブしていく。この小ピークには木製の階段が付けられていたが、どこへ続いているかは分からない。■林道は南側の尾根を越えることは無さそうで、曽原ノ湯跡へ続いていると予想して、林道を忠実に下っていった。林道は未舗装であるが、一部簡易舗装が施されていた。■林道を35分ほど下ると「林道野尻日向線」と書かれた看板と鎖のゲートがあり、この林道の名前を知る。■そのすぐ先で右に別の林道が分岐する。分岐には「注意 曽原カタクリ群生地へようこそ! 下記事項に注意して、山をお楽しみください。ここは野生動物の生息地です。被害に遭わないよう、鈴やラジオなど、音が出るものを持って、山に入ってください。佐久穂町役場産業振興課」と書かれた貼紙や「ここ「曽原」の自然はみんなの貴重な財産です。」と書かれた看板がある。右に行くと、季節にカタクリの花が咲く群生地があるようである。■分岐から5分ほどで曽原ノ湯跡に戻ることができた。もっと前に来ていれば、ここで温泉に入ることができたのに、と残念に思う。■大久保山は登山の対象にならないような山であるが、なかなか静かな山歩きを楽しむことができた。カタクリの季節に再訪するのも良いかもしれない。(2015年3月8日記載) |