■金山平付近から金山沢沿いに林道跡が分岐している。林道跡の入口に車を停める。■林道跡の入口には、「五里山登山口」と書かれた古い道標があり、これに従って林道跡に入る。■すぐに沢を渡るが、橋は無く、ここから車の進入は不可能である。■林道跡は車が通らなくなってから久しく、路面は落葉で覆われていて、自然に還りつつある。■10分ほど歩くと大きな堰堤が現れ、右側から通過する。■堰堤の先で右から流入する荒れた感じの涸れた沢を横切ると、右に林道跡が分岐する。立木に「五里山登山口」と書かれた道標が付けられていて、これに従って右折する。直進方向は簡易舗装が施されていて、過去に車が入っていたことを物語っている。■さらに林道跡を数分行くと、「昭和46年度施行 治山事業」と書かれた古い堰堤が現れる。林道跡は直進しているように見えるが、2万5千分の1地形図に記載されている道は対岸に続いているので、堰堤の下で沢を渡る。■林道跡は使われなくなってからだいぶ時間が経過しているようである。低木が生えてヤブ化しているが、路盤は認識できるので、これに沿って大きくカーブして堰堤の上で出ると、沢沿いに行くようになる。■次の堰堤が見えると、林道跡は終点となる。ここから右側の尾根に取り付くことにする。■尾根上には赤テープの目印と薄い踏跡があり、これに従って登っていく。■徐々に傾斜はきつくなる。尾根も細くなり、足下から切れている箇所もある。不安定な感じの箇所も多く、注意が必要である。■2万5千分の1地形図に五里山の記載がある標高1673.4mの三角点峰は向山と呼ばれている。向山頂上直下は壁のようになっていて、どう登るか少々戸惑うが、右側から立木や木の根などをつかみながら慎重に登っていく。ここを下るのは困難だと思う。■傾斜が緩くなると稜線上に出て、右折して細い尾根を少し行くと向山頂上に到着した。■向山頂上は木々で覆われていて眺望は無い。標識等は無く、三角点があるのみだった。点名は「人神」であり、ある書物によると向山は人神山とも言うらしい。■向山頂上から登ってきた尾根が分岐する所まで戻る。ここを直進するとすぐに岩場が現れて通過するのが難しいので、稜線の右側を下っていく。赤テープの目印や薄い踏跡があるので、これに従う。■近年、向山の東方の標高1730mのピークを五里山本峰とすることが多いようである。向山から約10分で向山と五里山本峰の鞍部に着く。■鞍部の東側には岩場があり、左側から巻きながら登っていく。■尾根上に出て右に少し行くと、岩場の上に出る。向山を間近に見ることができる。■岩場から少し戻って尾根上を東方へ緩やかに登っていく。途中で右手に尖った岩峰を見る。■周囲のカラマツ林は枝が打ってあり、人の手が入っているように見える。■標高1710m付近で尾根は右に曲がり、少し行くと岩場が現れるので左から巻く。巻き終わって、少し戻るように岩場を登ると、そこが五里山本峰頂上だった。「1673m 五里山」と書かれた標識があった。慎重に岩の上に登ると、周囲の眺望を得ることができる。■五里山本峰頂上の南側にある露岩の上からも周囲の眺めが良い。南方にとても登ることができないような尖った岩峰があるのが見える。■五里山本峰から標高1722mの五里山南峰を往復する。この標高1722mのピークに五里山と記載がある登山地図もある。■五里山本峰から先ほど見えた岩峰の基部の近くを通って鞍部まで下り、五里山南峰まで登り返す。五里山本峰から五里山南峰まで約20分だった。さらに南東のピークの方が高く見えたので行ってみるが何も無かった。■五里山南峰から鞍部まで戻る。ここから五里山本峰とその東に聳える標高1740mの五里山最高点の鞍部を目指して登っていく。■五里山本峰と五里山最高点の鞍部まで五里山南峰から約10分だった。■鞍部の東側には岩場があり、左側から巻いていくと立木に赤テープの目印があるので、ここで右折して急斜面を登っていく。途中ロープが付けられていた。■登り切って右に行くとすぐに岩場の上に出る。瑞牆山や鷹見岩方面の眺めが良い。■登り切った所まで戻って東に進むとすぐにロープが付けられた急な岩場を登り、少し行くと五里山最高点に到着した。鞍部から10分ほどだった。周囲は木々で覆われていて眺めは良くないが、樹間に金峰山を望むことができた。■五里山本峰と五里山最高点の鞍部まで元来た道を慎重に戻り、五里山本峰まで登り返す。鞍部から五里山本峰まで5分くらいだった。■五里山本峰から元来た道を戻り、標高1710m付近の尾根が屈曲している地点で行きに通った道から分かれて、北方の尾根を下る。始めは薄い踏跡があるが、徐々にヤブが深くなる。途中に岩場のような箇所もあるので注意して下っていく。■標高1610m付近でヤブを抜けて尾根が明瞭になる。左側の沢は険しく、右側も急峻なので、尾根を外さないように注意して進む。■次の鞍部から登り返し、たどり着いた標高1640mのピークは薙山と言う。薙山頂上には標識等は皆無だった。樹間に周囲の斜面が崩れているのが見える。薙のようになっているので薙山と言うのであろうか。■薙山頂上から北西方向に尾根をたどる。次のピークの方が標高が高いように見え、眺めもこちらの方が良いように思える。振り返ると、五里山本峰を望むことができた。■薙山頂上部の尾根上は露岩が多く、様子を見て左側から巻きながら進んでいく。ホールドの少ない急な斜面もあり、注意を要する。■薙山頂上部から沢に入らないように尾根筋を下っていく。尾根は何度か分かれるが、歩きやすく見える方を選んで下っていく。■最終的に行きに通った「昭和46年度施行 治山事業」と書かれた古い堰堤の近くに下り立った。薙山頂上から約40分だった。ここから元来た道を金山平に戻った。■帰りに増冨温泉に浸かってから帰途に就いた。最後に増冨温泉に入湯したのは、もう20年以上も前のことだった。■山中では、クマの糞のようなものを多数見かけた。■ある書物によると、地元では五里山本峰と五里山最高点、五里山南峰の辺りを五里山と呼んでいるそうである。今回、それらに向山と薙山を加えて五里山一帯のほとんどのピークに立つことができた。■五里山は麓から近く、短時間で容易に登ることができる山だと思っていたが、山容は険しく、岩場の登り下りも多く、思いのほか難度の高い山であった。(2015年12月20日記載)
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