■石神峠から板沢山を経て高檜山まで往復する予定で出発する。久しぶりの山行なので、調子が悪い場合は、板沢山までの往復とする予定である。■石神峠に車を置く。往路は大沼集落から林道や送電線巡視道を利用してなるべく板沢山の近くまで行き、帰りは稜線を経由して石神峠に戻ってくるつもりである。■石神峠から大沼集落まで県道を下り、大沼林道に入る。ゲートは無く、車でも入っていけそうな道である。■大沼林道は、途中で支線が分岐しているように見える箇所があるが、本線を道なりに進んでいく。■大沼から10分ほど行くと、右後方に送電線鉄塔への巡視道が分岐する。「玉原線18号入口」と書かれた標柱がある。■送電線の下を絡むように通り過ぎ、「大沼林道 昭和55年度起工 沼田営林署」と書かれたプレートを見ると、左手の眺望が開ける。近くに上州三峰山が見え、遠くは浅間山を望むことができた。眼下には地図に記載の無い沼があるのが見える。■途中で後ろから軽トラックが1台やってきた。乗っていた人は猟師で、話によると、この辺りはクマやシカの猟場で、冬の間は犬を連れてきて集団で猟をする場合もあるということである。今は自分一人だけで、板沢山までならば自分の方が先に行くから大丈夫だけど、気を付けるようにと声を掛けられた。■大沼から約50分で大沼林道の終点と思われる地点に着く。標高1006m地点の西側の小尾根の辺りと思われる。先ほど追い越していった軽トラックが停めてあり、猟師が尾根を登っていくのが見えた。尾根を回り込むと堰堤のある沢になっているので、ここから尾根に取り付くことにする。■林道終点から猟師の足跡を追って尾根を登っていく。少し登ると尾根は広くなるが、上を目指して登っていく。■途中で猟師が現れ、左の方でクマが動いているから鈴は鳴らさないようにと声を掛けられる。■林道終点から20分ほどで沼田市とみなかみ町の境の尾根に乗る。■緩やかな尾根をたどり、最後にやや急な斜面を登ると板沢山頂上に到着した。尾根に乗ってから15分くらいだった。■板沢山頂上には、標識と三角点があった。周囲は木々で覆われているが、樹間に高檜山に続く稜線が見えた。■猟が行われているので、このまま稜線経由で石神峠に戻ろうかと思ったが、天気はとても良く、積雪はヤブをある程度埋める一方、ラッセルするほどでもない絶妙なコンディションであり、高檜山まで行くのには又とない絶好の状況のように思われ、先に進むことにした。■板沢山から北へ稜線をたどる。標高1228m地点までは自然林がきれいななだらかな尾根を行く。途中、上州武尊山の眺望がとても良い場所があった。■板沢山頂上から標高1228m地点まで約30分だった。標高1228m地点の先の下りは、幼木のヤブに雪が被っていて歩きにくかった。■標高1228m地点から次のピークまで25分くらいだった。このピークへの登りも自然林がきれいだったが、ピークの辺りから再び幼木のヤブが煩くなる。ピークの先で尾根が二手に分かれているが、ヤブで見通しが悪く、右側の尾根に入らないように注意する。■次の鞍部の先で、左に分かれる高檜山方面に延びる尾根に入る。直進方向の尾根は尼ケ禿山方面に続いている。先ほどのピークから尾根分岐まで約30分だった。この辺りからさらにヤブが深くなる。■少し下って、次の鞍部から高檜山へ登り返す。積雪とヤブに加えて疲れも出てきてペースが大幅に落ちた。■尾根を忠実にたどり、登り切った所が高檜山頂上だった。標識と三角点があった。■高檜山頂上も木々で覆われていて眺望はない。三角点は辛うじて雪面から上部が出ていた。■高檜山頂上から元来た道を板沢山まで戻り、板沢山から稜線を経由して石神峠に戻る予定だったが、疲れてしまい石神峠まで戻るのが億劫になってしまったので、高檜山から奈女沢温泉に下山して上牧駅に向かうことにした。■高檜山頂上から南の尾根を下る。下り始めの方向が分かりにくいので注意する。■高檜山頂上からしばらく傾斜がきつくヤブも煩いので、こまめに方向を確認しながら下っていく。大沼林道の終点から高檜山頂上まで目印は皆無だったが、高檜山頂上から赤テープや白い紐の目印が見られるようになった。■傾斜が緩くなると、尾根の右側は植林となるが、相変わらずヤブは煩く感じる。■高檜山頂上から45分くらい下り、標高1100m付近で標高1017.7mの三角点に向かう尾根から外れて、奈女沢温泉に向かう尾根を下っていく。■奈女沢温泉への尾根はかなり急であり、岩場のような箇所もある。滑落しないように注意が必要である。■やがて左下方に奈女沢温泉の建物が見えてきて、尾根を下り終えると、ちょうど奈女沢温泉の前に出た。車道をわずかに西に行くと明瞭な山道が分岐しており、高檜山に登る場合はここから入山した方が良さそうである。■奈女沢温泉から沢沿いの車道を歩き、上牧駅に向かった。■もはや石神峠まで歩く元気は無く、上牧駅でタクシーを呼んで車の回収に行く。その後、上牧温泉に入湯してから帰途に就いた。■板沢山は大沼林道を利用すると、思いのほか容易に登ることができる山であることが分かった。一方、高檜山は奈女沢温泉から登る場合が多いようだが、急勾配の上にヤブも深いので、それなりの心構えが必要である。■今回は、コースが当初の予定と変わってしまったが、天候や積雪が絶好のコンディションであり、板沢山と高檜山をつなげて歩くことができて良かったと思う。(2015年12月27日記載)
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