■南会津には、水抜高倉山や南倉沢高倉山といった高倉山という山がいくつかあるが、今回目指したのは糸沢の高倉山である。七ケ岳周辺にはもう一つ高倉山があるが、今回登った高倉山は七ケ岳の北東に位置する標高1203.9mの三角点峰である。■会津山村道場や奥会津博物館の脇を通り過ぎて長沢沿いの車道を進み、舗装路が終わる地点に車を停める。前年5月に岩藤山に登った後に下見して、路肩に駐車できることを確認済みだった。■この先、直進方向は道幅が狭くなり未舗装の林道となっている。長沢林道と言うらしいが、前年9月の豪雨災害のため、通行止になっていた。「ご迷惑をおかけします 壊れた林道をなおしております。平成28年11月30日まで 時間帯8:00〜17:00 林道長沢線災害復旧工事」と書かれた看板とバリケードがある。「土砂崩れのため 入山禁止」や「通行止」、「立入禁止」と書かれた立看板もある。■ここから右に分岐する未舗装の林道に入る。こちらには特にゲートなどは無く開放されていたが、「入山禁止 古今区」と書かれた看板があった。■林道に入るとすぐに道が左右に分かれるが、右に進む。■車を停めた林道入口から5分ほど行くと、送電線巡視道が右に分かれる。「NO.69 下郷線」と書かれた黄色い杭がある。この先で送電線の下を通過する。■緩やかに林道を登っていく。未舗装であるが、所々古い簡易舗装が施されたような部分もある。■林道入口から15分ほど行った所で、林道はUターンするように右へ大きくカーブする。ここは七ケ岳古内登山口への登山道の分岐点で左に幅の広い山道が分岐するが、道標等は皆無である。■分岐から林道をさらに25分ほど緩やかに登ると、林道終点に達する。■林道終点にはテレビの中継施設が建っている。「NHK福島荒海テレビ中継放送所」と書いてあった。古い看板もあるが、文字は剥げて判読不能だった。林道は、この施設の維持管理に使われているのであろう。木の枝が若干気になる箇所があるが、車高の高い四輪駆動車ならばここまで入ることも可能と思われた。■中継施設の裏手から尾根上に切り開かれた山道があるので、ここを入る。■尾根を10分ほど登ると、標高1188m地点を通過する。■緩やかに下り、細くなった尾根上の踏跡をたどるとやがて小広い場所を通過する。■この後、道は不明瞭になるが、何となく踏跡があるので、これをたどる。尾根を外さないように進めば特に問題はない。■やや傾斜が増した尾根を登っていくと、前方に岩峰が現れる。登ることもできそうだが、反対側がどうなっているか分からないので、左側から巻くことにする。■岩峰の西側には踏跡のようなものがあるので、うまく拾いながら進んでいく。非常に不安定な感じで、立木をつかみながら岩峰を巻いていく。■岩峰を巻き終わると尾根は細くなり、ヤブが深くなって踏跡も不明瞭になる。■痩せた岩稜を2か所通過し、ヤブが薄い部分を拾いながら登っていく。傾斜が緩くなると高倉山頂上も近い。■奥の大きな岩がある所が高倉山頂上だった。岩の手前に三角点があり、近くに地面に古い標識が落ちていた。岩の下には、アンテナでもあったのか苔生したコンクリートの台座の跡のようなものがあった。■大きな岩の先は非常に眺めが良く、中の森や鋏山方面の眺望が印象的だった。七ケ岳は残念ながら雲の中であった。眺めは良いが、西側は足下から切れているので注意が必要である。大きな岩の上に登ることもできるが、滑るので注意する。■しばらく休憩した後、元来た道を戻った。高倉山頂上付近は登る時よりも方向が分かりにくく感じたので、間違った方向に進まないように注意した。■山中の紅葉がきれいであった。方向を確認したり、写真を撮りながら下山したので、登りよりも下りの方が少し時間がかかった。■山中で人に会うことは無かった。荒海中継局から高倉山頂上まで所々に石柱のようなものが見られたが、道中、高倉山頂上の標識以外は道標や目印は皆無だった。高倉山は登る人も少なそうな寂峰であった。(2016年11月3日記載)
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