2016年11月6日(日)

安倍奥

笹山 山伏岳

11月6日 晴

途中625 →歩→ 笹山645−655 →歩→ 牛首峠725−735 →歩→ 牛首岳755−810 →歩→ 猪ノ段840 →歩→ 百畳平915 →歩→ 山伏岳945−1015 →歩→ 山伏小屋1030−1035 →歩→ 百畳平1045 →歩→ 百畳峠1055 →歩→ 牛首峠1125 →歩→ 途中1200

日帰り 単独

勘行峰林道に入り、リバウェル井川スキー場や県民の森を通り過ぎ、笹山の南方の登山口まで車で入る。道端に広い駐車スペースがあり、「笹山→」や「笹山遊歩道0.6km」と書かれた朽ちた道標があることから、笹山の登山口であることが分かる。登山道に入り、途中で日の出を迎えた。笹山頂上が近づくと、眺めが良く、南に連なる勘行峰方面の稜線や井川湖を望むことができた。笹山頂上に着くと、東側には富士山を望むことができた。笹山頂上には、笹山を示す標識や三角点、ベンチがある。笹山頂上から右手に井川峠方面への道が分岐する。牛首峠方面へ尾根を北方へ直進する。基本的に尾根を北へ進めば良いのだが、尾根は広くて落葉の堆積もあり、思いのほか不明瞭に感じた。標高1686m地点の手前から尾根の東側に逸れて下っていくと、やがて林道に出た。そこが牛首峠であり、古い道標がある。笹山と牛首峠の間で黒い動物が逃げていくのを目撃した。辺りは獣の臭いが強く、おそらくクマではないかと思われた。案の定、牛首峠には「5月以降近隣山域で熊の目撃が相次いでいます。鈴・笛等の装備や遭遇した時の心がまえ、対処方法を備えて入山してください。単独での登山は危険です」や「駐在所速報 平成28年6月11日 山伏 山中にて 熊 の目撃がありました」と書かれた貼紙があった。牛首峠から新田への道は、崩壊のため廃道となっているようである。ロープで塞がれていて道形もよく分からなかった。牛首峠から再び林道と分かれ、標高1785m地点を目指して尾根を登っていく。この登りはかなりの急登であり、上部にはロープが付けてある箇所もあった。休み休み登る。標高1785m地点は「牛首ノ頭」や「奥笹山」と呼ばれているらしい。いろいろな資料を見ると、この付近に牛首という地名が現れるが、これが牛首峠を指すのか、1785m峰を指すのか不明である。牛首と言うと、地形的には峠のような場所を指すように思えるが、1785m峰を牛首と見なした場合、山伏を山伏岳と言うように牛首を牛首岳と言うのが妥当なようにも思われ、ここではある資料の表記を採用して牛首岳と呼ぶことにする。急登が終わると、牛首岳の頂上部の一角に着く。牛首岳の頂上部は平坦で広く、きれいな森が広がっている。斜面の縁に沿って東の方へ行くと、南側の樹間に笹山が見える。少し行くと、三角点のような石柱があり、ここで引き返す。牛首岳の頂上部に登り着いた地点まで戻って北方へ進むが、右手にアンテナのような建造物を見る。これは違法な建造物らしく、立木に「ここは静岡森林管理署が管理する国有林であり、土砂流出防備保安林及び静岡県立自然公園第3種特別地域に指定されています。許可なくこの場所に工作物の設置等を行うことはできません。この風力計を設置した方は、静岡森林管理署又は静岡森林事務所に速やかに連絡し、風力計の撤去等、林地への復元を行ってください。林野庁 静岡森林管理署 静岡森林事務所」と書かれた貼紙があった。風力計らしいが、誰が何の目的で作った物なのであろうか。牛首岳頂上から北へ尾根をたどる。尾根は広く、落葉が堆積していて道は不明瞭であるが、見通しが良いので、尾根を外さなければ問題ない。付近の巨木が印象的だった。緩やかに下っていくと少々分かりにくくなるが、道をうまく拾いながら進んでいく。この付近でも左側に牛首岳頂上にあったアンテナのような物と同じような建造物があるのを見る。建造物の先で、左に林道への道が分岐する。「猪の段分岐」と書かれた道標があった。分岐から5分ほどで猪の段を通過する。「←至笹山・県民の森 猪の段 至山伏岳70分→」と書かれた看板がある。猪の段の先にも二重山稜のようになっていて地形がやや複雑で分かりにくい箇所があるが、道をうまく拾いながら進む。やがて百畳平に着き、百畳峠からの道と合流する。ここから道は良くなり、登山者の姿も目に付くようになる。百畳平から5分ほど行くと、明るい笹原の中を登るようになる。樹間に大無間山や光岳を望むことができ、振り返ると笹山が見える。百畳平から10分ほどで山伏小屋への分岐を通過し、さらに10分ほど行くと、西日影沢からの道と合流する。「牛首から西日影沢のコースは非常に危険です。2014.9.4現在廃道」と書かれた看板がある。西日影沢への分岐を過ぎると、富士山や安倍奥東山稜などの眺めが良い笹原を通り、10分くらいで山伏岳頂上に到着した。途中、ヤナギランの群落をシカの食害から保護するために柵で囲まれている箇所がある。そこを避けるように西側にも道が付けられているようだが、行きも帰りも東側の道を通った。山伏岳頂上からは南アルプス南部方面の眺めも良く、笊ケ岳や荒川岳、赤石岳を望むこともできた。山伏岳頂上は広く、標識や三角点がある。山伏岳頂上でしばらく眺望を楽しんだ後、百畳平まで元来た道を戻る。途中で山伏小屋に立ち寄った。分岐から数分下った所にひっそりと建っている。とても古い小屋であるが、十分に利用できそうである。百畳平から百畳峠に下り、林道に出た。駐車場には車が数台停まっていた。ここから山伏岳を目指す人が多そうであり、傍らには簡易トイレも設置されていた。百畳峠から奥の林道には「通行止」や「通り抜けできません」と書かれた看板とゲートがあり、通行止となっていた。百畳峠から笹山の登山口まで林道を歩いて戻った。林道は舗装されている。百畳峠から猪の段の登山口まで約15分、猪の段の登山口から牛首峠まで約15分だった。牛首峠までは下り主体であるが、牛首峠からは登り主体となる。牛首峠付近は眺めが良く、紅葉がきれいだった。笹山の登山口まで戻った後、帰りに口坂本温泉に寄ってから帰途に就いた。なかなか良い温泉だった。山伏岳は約16年ぶりの登頂となった。前回は西日影沢から登り、山伏小屋で1泊したが、山伏小屋の佇まいや山伏岳付近からの眺望は変わりなかった。今回は未踏の笹山と繋げて登ったが、天気にも恵まれ、富士山や南アルプス南部の山々を望むこともでき、遠くても来て良かったと思った。(2016年12月10日記載)

 

笹山付近から井川湖を見る(2016年11月6日)


笹山付近から南へ続く稜線を望む(2016年11月6日)


笹山頂上1(2016年11月6日)



笹山頂上2(2016年11月6日)


笹山頂上3(2016年11月6日)



笹山頂上4(2016年11月6日)



笹山頂上の三角点(2016年11月6日)


笹山頂上から富士山を望む(2016年11月6日)


笹山頂上から井川湖を見る(2016年11月6日)


笹山頂上5(2016年11月6日)


牛首岳から樹間に笹山を望む1(2016年11月6日)


牛首岳から樹間に笹山を望む2(2016年11月6日)


牛首岳付近にて1(2016年11月6日)


牛首岳付近にて2(2016年11月6日)


牛首岳付近にて3(2016年11月6日)


百畳平に着く(2016年11月6日)


山伏岳頂上1(2016年11月6日)


山伏岳頂上2(2016年11月6日)


山伏岳頂上の三角点(2016年11月6日)


山伏岳頂上から富士山を見る(2016年11月6日)


山伏岳頂上から南アルプス方面の眺望(2016年11月6日)


山伏岳頂上から見えた雪の付いた山は赤石岳や荒川岳であろうか(2016年11月6日)


山伏岳頂上から布引山と笊ケ岳を望む(2016年11月6日)


山伏岳付近から安倍奥東山稜と篠井山を見る(2016年11月6日)


山伏岳付近から安倍奥東山稜や愛鷹連峰、箱根方面の眺望(2016年11月6日)


山伏岳付近から富士山を望む1(2016年11月6日)



山伏岳付近から富士山を望む2(2016年11月6日)


山伏岳付近から富士山を望む3(2016年11月6日)


山伏小屋(2016年11月6日)



山伏岳と百畳平の間で笹山を見る(2016年11月6日)


山伏岳と百畳平の間にて1(2016年11月6日)



山伏岳と百畳平の間で大無間山を望む1(2016年11月6日)



山伏岳と百畳平の間で大無間山を望む2(2016年11月6日)


山伏岳と百畳平の間で光岳方面を見る(2016年11月6日)


山伏岳と百畳平の間にて2(2016年11月6日)


百畳平まで戻る(2016年11月6日)


百畳平付近から小河内岳を望む1(2016年11月6日)


百畳平付近から小河内岳を望む2(2016年11月6日)


百畳峠と牛首峠の間の林道から光岳を望む(2016年11月6日)


百畳峠と牛首峠の間の林道から右に見えるのは上河内岳であろうか(2016年11月6日)


牛首峠付近から笹山を見る(2016年11月6日)


牛首峠付近の紅葉1(2016年11月6日)


牛首峠付近から大根沢山や光岳方面を望む(2016年11月6日)


牛首峠付近から光岳を望む(2016年11月6日)


牛首峠付近の紅葉2(2016年11月6日)


牛首峠付近の紅葉3(2016年11月6日)


牛首峠付近の紅葉4(2016年11月6日)


牛首峠付近から牛首岳を見る(2016年11月6日)


笹山・山伏岳−GPS軌跡(2016年11月6日)
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、 第537号)
 承認を得て作成した複製品を第三者がさらに複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければならない。



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