2016年12月17日(土)

西上州

新三郎山 ぶどう岳

12月17日 晴

十石峠655 →歩→ 栂峠840−845 →歩→ 新三郎山910−925 →歩→ ぶどう岳1030−1040 →歩→ 新三郎山1145−1155 →歩→ 栂峠1210−1220 →歩→ 十石峠1345

日帰り 単独

十石峠越えの国道はあと5日で冬期通行止となるので、今年最後の週末ということで、十石峠から新三郎山を経てぶどう岳まで往復することにする。ちなみにぶどう峠越えの県道は既に冬期通行止となっている。十石峠に車を停めて出発する。十石峠から林道を行く。入口に「林道曲久保線」と書かれた標識がある。簡易舗装が施されているようであるが、積雪があり、雪の上を歩いていく。一般車の通行はできないが、1日か2日前に車が入ったようで、轍が残っていた。標高1500m付近のカーブで右に林道が分かれるが、轍はそちらへ続いていた。左にUターンするように曲がると林道終点に電波塔が建っている。電波塔まで行かずに手前で右側の尾根に上がると尾根の反対側に東の方から別の林道が来ていたので、その林道を西の方へ進んでいく。この林道にも新しい轍があったが、すぐに方向転換して戻っていた。少し行くと「栂峠へ 四方原山へ さくまち」や「十石峠へ さくまち」と書かれた道標があり、以前ここが登山道として整備されていたことを物語っていた。まもなく林道は終点となる。十石峠からここまで約50分だった。林道終点から踏跡がありそうな所を登っていく。前方の尾根を乗り越すと、山の斜面に標高1626m地点を巻いていく踏跡があるので、これをたどる。踏跡は非常に薄く、少し時が経つと消えてしまいそうである。標高1626m地点を巻き終わると右後方から廃林道が合流する。林道終点からここまで20分ほどだった。道標があり、右後方は「十山林道 新三郎」と書いてあり、行く手には「栂峠 四方原」とある。「新三郎」は、新三郎沢を指していると思われる。廃林道は二手に分かれ、一方は尾根上に続き、もう一方は尾根を乗り越えて左前方に下っているように見えた。尾根上を少し行くと、右から左へ尾根を回り込むようにカーブしている林道に出る。新三郎沢から登ってくる林道と思われ、この林道を左へ進む。道標があり、進む方向には「栂峠へ2KM」、歩いてきた方向には「十石峠へ2KM」と書いてあった。林道はヤブが出ている箇所もあって荒れ気味だが、雪の上には1日か2日前に車が通った跡があった。途中で御座山やこれから登る新三郎山を見ることができた。標高1622m地点の南東で右に林道が分岐した。林道終点からここまで約35分だった。道標があり、右には「四方原山へ3.5KM 茂来山へ8.5KM」、前方には「栂峠へ1KM」、後方には「十石峠へ3KM」と書いてあった。少し進むと林道は左右に分岐していて、車の轍は右に続いていたが、「栂峠へ800M」と書かれた道標に従って左の林道に入る。右の道は、近くの送電線鉄塔に続いているようである。この分岐から崩れている箇所や倒木があり、車の進入は不可能であるが、歩行には全く支障がない。林道跡を歩き、分岐から15分ほどで栂峠に到着した。栂峠には「栂峠」と書かれた標識や「佐久町←栂峠→ぶどう峠 ↓白岩」と書かれた看板があった。林の中には一体の地蔵が置かれていた。栂峠から林道跡をさらに進むと途切れたような形になっており、左手のピークと新三郎山との鞍部を目指して歩きやすい所を登っていく。鞍部で右に曲がり、幅が広い尾根を緩やかに登っていく。尾根が細くなると、シャクナゲのヤブの中の踏跡を登っていくようになる。やがて短い岩場を登ると、新三郎山頂上に到着した。新三郎山頂上から御座山の眺めが良い。なかなか迫力のある山容である。新三郎山には「小路ケ岳」や「小名路ケ岳」という名前もあるようだが、新三郎山頂上には「新三郎」と書かれた標識と三角点があった。新三郎山頂上からぶどう岳へは三角点の奥の方へ進む。この後、岩場の下降があり、道も不明瞭なので、慎重に下っていく。岩場を通過すると尾根筋が明瞭になり、尾根上を進んでいくが、途中で岩場の上に出てしまう箇所がある。行きは岩場を下ったが、長野県側から巻くことができるので、帰りは巻いた。新三郎山から45分ほど県境の稜線をたどると、「安曇幹線2号線 197号に至る」と書かれた黄色い杭があり、送電線巡視道と合流する。うっかり尾根を直進してしまいそうになるが、直進方向はマムシ岳へ続く尾根であり、ぶどう岳へはここで右折して下っていく。下り着いた標高1561m地点付近の稜線を送電線が2本越えていて、送電線鉄塔の下を二度通過する。送電線が邪魔だが、周囲の眺望はとても良い。送電線鉄塔からさらに県境の稜線を進んでいくと、途中に岩場があるが、長野県側から容易に巻くことができる。送電線鉄塔から約15分でぶどう岳頂上に到着した。ぶどう峠は既に冬期通行止となっており、最近人が来た形跡は無かった。以前、ぶどう岳にはぶどう峠からの往復で来たことがあるので、少し休憩した後、すぐに元来た道を戻ることにする。帰路、新三郎山と栂峠の間で、雪上に自分以外の足跡が見られたので、ぶどう岳を往復している間に新三郎山まで来た人がいたようである。帰りは、電波塔が建つ標高1531m地点まで行き、林道を通らずに十石峠に戻った。標高1531m地点にも「栂峠へ 四方原山へ」や「十石峠へ」と書かれた道標があったが、電波塔から十石峠まで県境には道は無いと考えた方が良い。十石峠手前の小ピークには送電線鉄塔が二つ建っていて、眺めが良い。新三郎山付近からぶどう岳にかけては風の通り道のようで、風が強くて寒かった。積雪があったが、アイゼンやピッケルを使うほどではなく、持参しなかった。新三郎山とぶどう岳の間の稜線には岩場が数箇所あるが、いずれも長野県側から容易に巻くことが可能である。新三郎山からぶどう岳に向かうよりもぶどう岳から新三郎山に向かう方が、道は分かりやすいのではないかと思う。新三郎山付近が最も注意が必要と思われる。十石峠と栂峠の間で見られた道標は、合併前の旧佐久町により設置されたものと思われ、当時、この付近の山道が登山道として整備されたことが窺われる。栂峠と四方原山を結ぶコースなどは非常に興味深く感じる。今回の山行により、ぶどう峠から十石峠にかけての県境は一通り歩いたことになった。(2017年1月4日記載)

 

ぶどう岳頂上1(2016年12月17日)


ぶどう岳頂上2(2016年12月17日)


ぶどう岳頂上3(2016年12月17日)



ぶどう岳頂上の標識(2016年12月17日)


ぶどう岳頂上からぶどう峠方面の稜線を見る(2016年12月17日)



ぶどう岳を振り返る(2016年12月17日)



送電線鉄塔から御座山を望む(2016年12月17日)


送電線鉄塔から両神山を望む(2016年12月17日)


送電線鉄塔から赤久縄山方面を望む(2016年12月17日)


送電線鉄塔からぶどう岳を振り返る(2016年12月17日)


送電線鉄塔から二子山方面を望む(2016年12月17日)


樹間に新三郎山を見る(2016年12月17日)


新三郎山頂上(2016年12月17日)


新三郎山頂上の標識(2016年12月17日)



新三郎山頂上の三角点(2016年12月17日)



新三郎山頂上から御座山を望む(2016年12月17日)



栂峠にて1(2016年12月17日)



栂峠にて2(2016年12月17日)


栂峠にて3(2016年12月17日)


栂峠の地蔵(2016年12月17日)


四方原山への分岐付近にて1(2016年12月17日)


四方原山への分岐付近にて2(2016年12月17日)


新三郎山(2016年12月17日)


遠くに見えるのは奥秩父の山であろうか(2016年12月17日)


標高1626m地点を巻いていく(2016年12月17日)


十石峠近くの送電線鉄塔から両神山方面の眺望(2016年12月17日)



十石峠にて(2016年12月17日)


十石峠から天望山を見る(2016年12月17日)


十石峠から両神山を望む(2016年12月17日)



十石峠から赤久縄山方面の眺望(2016年12月17日)


十石峠から榛名山を望む(2016年12月17日)


新三郎山・ぶどう岳−GPS軌跡(2016年12月17日)
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、 第537号)
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