2017年3月19日(日)

南佐久

向山

3月19日 晴

海尻駅715 →歩→ 向山815−830 →歩→ 遠見900−905 →歩→ 海ノ口城跡925−940 →歩→ 大芝1000 →歩→ 大芝橋1010 →歩→ 佐久海ノ口駅1015

日帰り 単独

向山は、海尻駅の東側に位置する標高1303.5mの三角点峰である。点名は「海尻」で、他に「大遠火」という名前もあるらしい。頂上には地上デジタル放送を周辺の町村に送信している南牧中継局というテレビ中継施設がある。NHKなどのホームページによると、その位置を「向山」とする記述が見られることから、ここではこの三角点峰を「向山」と呼ぶことにする。海尻駅から踏切を渡り、左手に海尻駅のホームを見ながら線路沿いの車道を緩やかに登っていく。海尻駅を通り過ぎて少し行くと、道が二手に分かれて、左へ進む。右はあく屋の集落への道である。民家が点在する畑の中の道をさらに緩やかに登っていく。畑が尽きて林の中を通り過ぎると、左に道が分かれるが、道なりに進む。やがて右後方から先ほど分かれたあく屋の集落を経由する道と合流する。Uターンするように右折すると、すぐに東側へ2万5千分の1地形図に記載されていない未舗装の林道が分岐するのでここを入る。海尻駅から15分ほどだった。林道入口には「林道向線 管理者 南牧村」と書かれた標識があった。林道の名前からも「向山」という山名は妥当ではないかと思った。ゲートは開放されていたが、「海尻愛林組合員以外 入山禁止 海尻愛林組合長」や「この先入札山につき入山禁止 無断入山を発見した場合は、罰金30万円を請求します。山主」と書かれた貼紙があり、物々しい。カラマツ林の中を緩やかに登っていく。林道には轍が見られ、ある程度車の通行があるように見受けられた。右側には林道に沿って柵が付けられている。林道入口から10分ほど行くと、左後方に林道が分岐するが、直進する。分岐から5分ほど行くと、黄色い標識があり、左に送電線巡視道が分岐する。そのすぐ先で送電線鉄塔の下を通過する。この辺りで林道の右側にあった柵と別れて、緩やかに下っていく。前方には標高1265mのピークが樹間に見える。この標高1265mのピークは「遠見」というらしい。林道入口から約25分で向山と遠見の鞍部に着く。ここにもゲートがあるが、開放されていた。「私有地につき組合員以外 入山禁止」や「松茸山につき入山禁止」と書かれた貼紙や看板がある。峠のようなこの場所は十字路になっていて、正面は小海原の方から上がってくる道であるが、歩いてきた林道よりも荒れているように見えた。左折をして向山に向かう。向山に向かう林道は、始めのうち古い簡易舗装が施されている部分もあるが、すぐに落葉の堆積した車もほとんど通らないような道になる。向山まで林道を通らずに町村境の尾根を登った方が近そうであるが、所々に「松茸止め山 入山禁止 違反者には罰金頂きます。」や「松茸山につき入山禁止」、「立入禁止 松茸山につき、許可なく立入りを禁止する。万一発見した場合は警察に通報します。監視録画カメラ作動中」などと書かれた看板があるので、季節外れではあるものの林道を外れないように登ることにする。やがて林道の右側にコンクリートの台座の上に建つ鉄塔を見てUターンするように左に曲がると、まもなくテレビ中継施設が建つ向山頂上に到着した。鞍部から20分くらいだった。鉄塔などの裏側に向山の三角点はあった。周囲の眺望は無い。しばらく休憩した後、元来た道を向山と遠見の鞍部まで戻る。向山から鞍部まで15分ほどだった。鞍部から遠見へ向かう作業道の入口には「南牧無線中継所」と書かれた古い看板があるが、剥げていて他に何が書いてあるのか判読不能であった。日本電信電話公社のマークがあるので、かなり古い看板である。鞍部から遠見への作業道は古い簡易舗装が施されているが、最近車が通った形跡は無かった。しばらく左右にカーブしながら登っていくが、途中から遠見の西側の山腹を行くようになる。振り返ると向山が見える。送電線鉄塔が建つ標高1240m付近は、伐採されていて八ケ岳方面の眺めが良い。ここから回り込むようにして遠見の頂上まで登っていく。遠見の頂上には電波塔が建っていて「南牧無線中継所」と書いてあった。作業道もここで行き止まりとなる。鞍部から遠見まで15分くらいだった。遠見から町村境の尾根に入り、東へ進む。尾根の入口や尾根上には、既に何度も目にした立入禁止の看板や入山禁止の貼紙があちこちに付けられていた。尾根上には何となく踏跡がある。標高1250m付近から踏跡は小海町と南相木村の町村境に沿って北の方へ下っていくが、ここで右に曲がって斜面を下ると鞍部に着く。鞍部には海ノ口城跡を指す標識があり、南側から登ってきた山道と合流する。道が明瞭になり、5分ほど登ると海ノ口城跡に到着した。広場のようになっていて片隅に大きな岩と石碑があり、奥には東屋がある。海ノ口城跡には約10年ぶりに来た。前回は大芝峠から城山に登った時に立ち寄った。まだ時間が早かったので、一瞬城山まで足を延ばそうかと思ったが、当初の予定通りでここまでとする。海ノ口城跡から鞍部まで戻り、左折して南側の山道を下っていく。右側に踏跡が分かれているように見える箇所もあるが、真っ直ぐに下っていくと、沢沿いの道となる。やがてブルドーザー道のようになり、「徒歩30分 海の口城跡」と書かれた古い標識を見る。まもなく道が膨らんだような場所があり、「海ノ口城跡 P これより徒歩30分」と書かれた標識がある。悪路だが車はここまで入ることができるようである。さらに林道を10分も下ると、大芝の集落に到着した。途中に約10年前にも見た「海の口城跡へは車でいけません。南牧村教育委員会」と書かれた標識があった。大芝から車道を歩く。千曲川の手前で左に曲がり、民家が点在する田畑の中の道を行き、大芝橋で千曲川を渡る。大芝橋から遠見の向こうに辛うじて向山を見ることができた。大芝橋を渡ると、まもなく国道に出る。左折して国道を少し行くと、佐久海ノ口駅に到着した。向山は登山の対象にならないような山で、山中で人に会うことも無かった。向山周辺は、松茸山のため、立入禁止の看板や入山禁止の貼紙がたくさんあって狼狽えるが、海ノ口城跡から大芝にかけての山道では、そのような表示は嘘のように目に付かなくなった。いずれにしても、この付近の山に入山する場合は細心の注意が必要と思われた。帰りに佐久海ノ口駅近くの海ノ口温泉に立ち寄った。二度目であるが、入湯後に初めて近くの源泉に行ってみると、温めの湯が大量に湧き出ていた。通りかかった地元の人が直接飲んでいたので、真似をして口に含むと、鉄臭のある炭酸味がした。温泉として泉質はとても良いので、もっと見直されても良いのではないかと思うが、宿が一軒しか残っていないのは寂しい限りである。(2017年4月23日記載)


向林道の入口(2017年3月19日)



向林道から向山南方に位置する遠見を見る(2017年3月19日)



向山頂上を目指して林道を登っていく(2017年3月19日)



向山頂上(2017年3月19日)



向山頂上の三角点(2017年3月19日)



向山頂上から林道を下る1(2017年3月19日)



向山頂上から林道を下る1(2017年3月19日)



向山南方に位置する遠見に登る途中で樹間に向山を見る1(2017年3月19日)



向山南方に位置する遠見に登る途中で樹間に向山を見る2(2017年3月19日)



向山南方に位置する遠見に登る途中で樹間に向山を見る3(2017年3月19日)



向山南方に位置する遠見の手前から向山を望む(2017年3月19日)



向山南方に位置する遠見の手前から八ケ岳を望む(2017年3月19日)



海ノ口城跡1(2017年3月19日)



海ノ口城跡2(2017年3月19日)



海ノ口城跡3(2017年3月19日)



海ノ口城跡から大芝へ下る途中で振り返る(2017年3月19日)



海ノ口城跡から大芝へ下っていく(2017年3月19日)



大芝橋から遠見の奥に向山が見える(2017年3月19日)



佐久海ノ口駅(2017年3月19日)



海ノ口温泉の源泉(2017年3月19日)



向山−GPS軌跡(2017年3月19日)
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、 第537号)
 承認を得て作成した複製品を第三者がさらに複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければならない。




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