2017年12月28日(木)

御坂山塊

大沢山 二本木山 雲母山

12月28日 

水分650 →歩→ 茶臼山740−750 →歩→ 大沢山820−830 →歩→ 二本木山905−915 →歩→ 空沢峠955 →歩→ 雲母山1020−1035 →歩→ 水分1150

日帰り 単独

御坂山塊は、1990年代にテントを担いで何度か縦走しており、主だった山にはだいたい登っているが、京戸川の上流に位置する大沢山や二本木山は登り残されていた。当時から気になっていて、今回ようやく登りに出かけることにした。京戸岩崎山林道に入ると、「この先駐車スペースなし 通行止」と書かれた看板があるが、先に進むことにする。社会科の教科書にも出てくる京戸川扇状地の扇頂に当たる水分集落の奥に「茶臼山登山口 ←ここから入る」と書かれた看板があり、その近くの路肩に車を置いて出発した。看板に従って入山すると、しばらく急登が続く。倒木があり踏跡が錯綜している箇所もあるが、尾根を外さないように登っていけば問題ない。登山口から30分ほど登って標高830m付近で茶臼山から西に延びる稜線に乗ると、道は緩やかになる。登山口から45分ほどで小さな壊れた小屋に着く。手前の地面はシートで覆われていて、「恐れ入りますがこの上をお歩き下さい ご迷惑をおかけして申し訳ございません。現在、地質調査中です、足元にご注意下さい。気象庁甲府地方気象台」と書かれた貼紙があり、中央を通過するようになっていた。「立入注意 現在この付近の土地を調査中です。特に目印(番号札)の周辺には立ち入らないようにお願いします。気象庁甲府地方気象台」と書かれた貼紙もあったが、具体的に何を調査しているのか、また、小屋が調査と関係あるのかどうかについてはよく分からなかった。小屋から5分くらいで茶臼山頂上に着いた。古い石碑や三角点がある。古い道標の登ってきた方向には、消えかけた「水分集落」の文字を読むことができた。眺望はなく、北側は植林となっている。茶臼山頂上で南に向きを変えて下っていき、鞍部から登り返していくと鬱蒼とした植林の中に入っていく。やや地形が複雑になるが、甲州市と笛吹市の市境の尾根を外さないように進んでいく。右側から踏跡が合流すると、「平成3年度 保安林改良事業施行地 改植4.41HA 山梨県」と書かれた看板を見る。看板から10分くらい登って勾配が緩くなると、大沢山頂上に到着した。大沢山頂上であることを示す標柱と「図根三角」と書かれた石柱があった。樹林の中で眺望はない。大沢山頂上の先に踏跡が続いているように見えるが、少し戻るような形で左折して南方の尾根に進む。初めは尾根が広く注意が必要であるが、すぐに尾根は細くなり、明瞭になった尾根筋を進んでいく。大沢山から15分ほど行くと右側から踏跡のようなものが合流し、標高1012m地点に着く。ここから幾分踏跡が明瞭になった。標高1012m地点から尾根上の踏跡を忠実にたどり、約20分で二本木山頂上に到着した。立木に二本木山頂上を示す標識が付けてあった。道の途中のような細長い頂上である。南側の樹間には達沢山が見える。二本木山頂上から東へ尾根を5分ほど下ると、右下に京戸岩崎山林道が現れ、適当な所で林道に下り立つ。次に雲母山を目指して林道を東へ進むと、付近は伐採後の植林地となり、谷の向こうに林道が続いているのが見える。沢を渡って回り込むように登っていくと、林道が二手に分岐している。左は京戸岩崎山林道で、右には「京戸山林道入口→」と書かれた道標がある。二本木山頂上から15分ほどだった。ここで右折すると、すぐに閉じた黄色いゲートがあり、通行止の標識がある。標高1213.7mの三角点が雲母山である。雲母山の南方の鞍部に達する林道に入る予定であったが、周囲の眺望がとても良く、それに気を取られて分岐に気が付かずに通り過ぎてしまった。16年ほど前に京戸山から雲母山に向かったことがあり、京戸山と雲母山を結ぶ尾根の近くまで京戸山林道が達していた記憶があったので、そのまま京戸山林道を進んで適当な場所から尾根上に上がることにした。分岐から15分ほど行くと、左に法面工事が施された斜面があり登りやすそうに見えたので、ここを登って尾根上に出た。尾根上は広場のようになっていて、南側は荒れた林道が乗り越えていた。先ほどの林道をそのまま進んでも、ここまで来られたのかもしれない。ここは空沢峠と思われたが、以前来た時とだいぶ様子が変わってしまったようである。北方にも林道が延びているが、林道から左側の尾根に入り、ややヤブが煩い尾根上を北へ進んでいく。遠回りをしてしまったが、空沢峠から15分ほどで雲母山の南方の鞍部に着いた。南大菩薩方面の眺望が得られた。以前来た時は車が通ることのできる林道が乗り越えていたような記憶があるが、すっかり荒廃していた。ここで空沢峠からの林道も合流しているように見えたが、こちらも荒廃している。鞍部から雲母山頂上を往復する。登りは10分くらい、下りは5分くらいだった。雲母山頂上は、植林が育ったためかだいぶ様子が変わってしまったように感じた。三角点と傍らの立木に古い標識があった。雲母山の南方の鞍部から西へ林道を下る。不明瞭な道形が残っているが、植林されている場所もあり、もはや道とは言えない状況であった。雲母山の南方の鞍部から10分くらいで京戸山林道に出た。ここから5分ほどで京戸岩崎山林道との分岐に戻り、さらに5分ほどで二本木山への分岐に戻った。京戸岩崎山林道を下っていく。二本木山への分岐付近から最近車が通った形跡は見られなかった。標高1012m地点の近くのカーブから舗装路となる。二本木山への分岐から20分くらい歩いた所で、左後方から林道が合流した。「県営林道大松沢線 起点」と書かれた標柱があった。途中で法面の工事を行っている箇所を通過する。年末だが作業中であり、作業員の指示に従って通り過ぎた。二本木山への分岐から35分ほどでゲートを通過する。ゲートは閉まっていて通行止になっていた。ゲートの先に最奥の民家があり、庭先で餅つきをしていた。道はいつしか未舗装路になっていたが、ここから再び舗装路となる。最奥の民家から車道を15分ほど歩き、茶臼山の登山口近くの駐車地点に戻った。京戸岩崎山林道の入口には「京戸山(ナットウ箱山) 茶臼山・達沢山 入口→」と書かれた看板があり、京戸岩崎山林道の途中には「ナットウ箱山方面」と書かれた道標もあったが、京戸川の方から達沢山や京戸山に登る人はどの程度いるのであろうか?大沢山と二本木山は以前から気になっていたが、ようやく登ることができた。今回登頂した山のうち、雲母山は古い書物で案内が見られ、比較的登られていたと思うが、現在では、2万5千分の1地形図に山名の記載がある大沢山や二本木山の方が、山名の記載がない雲母山よりもよく歩かれているのではないかと考える。時の流れと共に、古い情報は埋もれ、人々の趣向も変わっていくように感じた。(2018年1月13日記載)


茶臼山頂上1(2017年12月28日)



茶臼山頂上2(2017年12月28日)



茶臼山頂上の石碑(2017年12月28日)


大沢山頂上の標柱(2017年12月28日)



大沢山頂上1(2017年12月28日)



大沢山頂上2(2017年12月28日)


標高1012m地点と二本木山の間で樹間に大沢山を見る(2017年12月28日)



標高1012m地点と二本木山の間から大菩薩嶺方面を望む(2017年12月28日)


二本木山頂上1(2017年12月28日)



二本木山頂上2(2017年12月28日)



二本木山頂上の標識(2017年12月28日)


二本木山頂上3(2017年12月28日)



京戸岩崎山林道から二本木山を見る1(2017年12月28日)


京戸岩崎山林道から二本木山を見る2(2017年12月28日)



京戸岩崎山林道から京戸山を見る(2017年12月28日)



京戸山林道から二本木山を見る(2017年12月28日)


京戸山林道から南アルプスを望む1(2017年12月28日)



京戸山林道から南アルプスを望む2(2017年12月28日)


京戸山林道から南アルプスを望む3(2017年12月28日)



京戸山林道から二本木山を見る(2017年12月28日)



雲母山手前の鞍部から南大菩薩方面の眺望1(2017年12月28日)


雲母山手前の鞍部から南大菩薩方面の眺望2(2017年12月28日)



雲母山頂上(2017年12月28日)


雲母山頂上の標識(2017年12月28日)



雲母山頂上の三角点(2017年12月28日)



雲母山手前の鞍部から南大菩薩方面の眺望3(2017年12月28日)


雲母山手前の鞍部から南大菩薩方面の眺望4(2017年12月28日)



京戸岩崎山林道から雲母山を見る1(2017年12月28日)


京戸岩崎山林道から雲母山を見る2(2017年12月28日)



大沢山 二本木山 雲母山−GPS軌跡(2017年12月28日)
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、 第537号)
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