■前月、千畳敷から木曽駒ケ岳と宝剣岳に登ったが、木曽駒ケ岳付近から見えた木曽前岳に興味が沸いたので、反対側に位置する伊那前岳と組み合わせて歩いてみることにした。■菅の台バスセンターで早朝4時55分から列に並び、バスとロープウェイの乗車券を入手するまでに約45分、その後、バスに乗車するまでに約65分を要した。駐車場は前回よりだいぶ空いているように見えたが、今回の方が時間がかかってしまった。週末はいつもこのような状況なのだろうと思う。■しらび平でバスからロープウェイへの乗り継ぎも少し待たされて、千畳敷には7時45分くらいに到着した。とりあえず木曽駒ケ岳を目指してすぐに出発する。■麓は少し寒かったが、山上は日が出て思いのほか気温が高く、早々と体温調節のために休憩を入れる人が多かった。そのため、先行することができ、あまり渋滞に巻き込まれずに乗越浄土に達することができた。■乗越浄土も休憩に適した場所であり、すでに多くの人たちが休憩していたが、休まずに先に進むことにする。■宝剣山荘から中岳は巻いて、頂上山荘でも休憩は取らず、一気に木曽駒ケ岳頂上に到達した。急いで歩いてきたためか、木曽駒ケ岳頂上はまだそれほど混雑していなかった。■木曽駒ケ岳までは25日ほど前に歩いたばかりで様子も分かっているため飛ばしてきたが、この先は初めて通る道になるので、周囲の風景を眺めながらなるべくゆっくり歩くようにする。■木曽駒ケ岳頂上から頂上木曽小屋へ下る道に入ると、急に人がいなくなった。■頂上木曽小屋の裏手を通り過ぎて、正面の木曽前岳と麦草岳の向こうに御嶽山を見ながら、急な道を下っていく。■やがて「駒嶽開山 心明霊神 乾山講」と書かれた像や鳥居、古い石碑を見ると、玉乃窪山荘に到着した。玉乃窪山荘は人気がなく「ただ今 外出中」と書かれた貼紙が掲げられていた。■玉乃窪山荘から上松Aコースと福島Bコースという木曽側から木曽駒ケ岳に達する登山道が分かれ、その中間に木曽前岳に登る道が伸びている。■玉乃窪山荘から15分ほど登ると、傾斜が緩くなり木曽前岳の頂上部に出た。右手の小ピークが一番高く見えたが、道の先に標柱のような物がある小ピークが見えたのでそこまで行くと、大きな岩がゴロゴロしている所に壊れた道標があり、「木曽前岳」の文字を読むことができた。その先にも小ピークが見えたが一段低かったので、そこまでは行かず、大きな岩の上を伝って、ハイマツの中のかすかな踏跡を通り抜け、一番高く見えた小ピークに移動した。■木曽前岳の最高点には、ピンク色のリボンの印しがあるだけで特に何も無かったが、広くなっていて周囲の眺望が非常に良かった。御嶽山や北アルプス方面、将棊頭山や茶臼山などが望まれ、木曽駒ケ岳から宝剣岳の稜線や三ノ沢岳などは大きく見え、とても印象的であった。■木曽前岳頂上でしばらく休んでから、元来た道を頂上木曽小屋まで戻った。■玉乃窪山荘から頂上木曽小屋までは急な尾根の登り返しでとても疲れた。途中で木曽駒ケ岳頂上を巻いて宝剣山荘付近に向かうと思われる道が右に分かれるが、状況が分からないので今回は見送り、頂上木曽小屋から木曽駒ケ岳頂上を巻いて頂上山荘に出た。■頂上山荘から人が多くなるが、帰りも中岳は巻いて喧騒を回避した。■中岳を巻き終わり宝剣山荘に近づくと、ますます人が多くなった。混雑している宝剣山荘付近や乗越浄土は素通りして、伊那前岳に向かう。■乗越浄土から伊那前岳にかけて、眺望の優れたなだらかな稜線をたどる。南側は千畳敷や中央アルプスの主稜線の眺めが良く、北側は木曽駒ケ岳から将棊頭山方面の稜線が望まれる。■途中で勒銘石の傍らに建てられた石碑を見ると、伊那前岳頂上も近い。■書物の中には標高2911m地点を伊那前岳とするものもあるようだが、ここでは標高2883.6mの三角点を伊那前岳とする。「伊那前岳山頂」と書かれた標識もここにあった。■伊那前岳頂上からは南アルプスや伊那谷の眺めも非常に良かった。■伊那前岳は木曽駒ケ岳に登った序に立ち寄る人が多いようで、木曽前岳と異なってとても賑やかな場所であった。■伊那前岳から元来た道を戻る。乗越浄土は相変わらずの混雑で、通り過ぎて千畳敷へ下っていく。■乗越浄土から千畳敷への道は渋滞していて断続的に進まなくなるため、八丁坂分岐点から剣ケ池を通る遊歩道に迂回して千畳敷のロープウェイの駅に戻った。■幸いにも帰りのロープウェイは思ったほど混雑しておらず、20分ほどの待ち時間で乗車することができた。■前月訪ねた時よりも天気が良く、今回も高山の雰囲気を存分に楽しむことができた。■千畳敷から木曽駒ケ岳にかけての混雑には辟易するが、木曽駒ケ岳西面の登山道や中岳の巻道など、少し外れるだけで歩く人は大きく減少するので、そのような場所を狙って再訪したいと思っている。(2019年9月23日記載)
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