■段戸湖畔の駐車場に車を停める。傍らに「きららの森観光案内所」と書かれた小屋と公衆便所がある。辺りには、すでに釣人の姿が見られる。■公衆便所の脇から林道が分岐しているので、ここからスタートする。入口にはバリケードがあり、「通行止 これより先は、一般車両の通行を禁止します。もし、無断で通行され事故が発生しても一切責任は負いません。愛知森林管理事務所」と記された立て看板や「関係車輌以外は進入禁止です。」と書かれた貼紙があった。■林道を5分ほど行くと、右側に東海自然歩道の休憩舎がある。■休憩舎から数分進むと、「愛知高原国定公園 段戸裏谷」と書かれた大きな石碑と「裏谷原生林」を紹介する看板があり、左に遊歩道が分岐する。■すぐその先で林道は金属製のゲートで封鎖されている。「一般通行禁止」と書かれた立て看板があるが、ゲートの脇にすき間があり、「歩行者の方はこちらをお通り下さい→」と書いてあった。ゲートには「椹尾分水林道」と書いてあり、この林道の名前を知る。■段戸湖から15分くらいで標高920m地点を通過する。ここで右に林道が分岐する。■さらに少し進むと、再び林道が右に分かれるが、ここは直進方向が支線で「西川治山管理車道」と書いてあった。ここで右に入ると、すぐに五六橋という橋を渡る。■五六橋から数分行くと、今度は右に東海自然歩道が分岐する。道標には「寧比曽岳 5.4KM 2:20分→」と書いてあった。ここまでは東海自然歩道で、ここで林道を直進して東海自然歩道を離れる。道端には古い公衆便所やベンチが設置されていた。■東海自然歩道の分岐から5分ほど緩やかに登っていくと、「自然観察路」と書かれた道標があり、山道と交差する。■さらに数分行くと、突然植林が現れる。ここまで裏谷川の渓流沿いの自然林の合間を行く道で非常に好ましい雰囲気であったが、一転して植林の中に付けられた林道を行くようになる。道も段戸湖からここまで未舗装路であったが、真新しいコンクリートが打たれた簡易舗装路に変わった。■まもなく道は下りに転じるが、この付近を分水峠と言うようである。峠を境にして、確かに林道沿いの渓流の流れも逆向きとなった。■途中で再び未舗装路となり、分水峠から5分ほど進むと、左に舗装された林道が分岐する。「栃洞金沢林道」と書いてあった。■栃洞金沢林道の分岐から10分ほど行くと、今度は右に林道が分岐する。「菜畑林道」と書いてあった。■菜畑林道の分岐から数分行くと、左に大きくカーブしながら栃洞上流の沢に架かる橋を渡る。■さらに林道を歩いていくと、前方の道端にプレハブ小屋が現れた。プレハブ小屋の少し先の左側には牛渡橋という橋があり、舗装された林道が分岐している。そちらに「栃洞金沢林道」と書いてあり、先ほど左に分岐した林道と同じ名称だったので、どこかで繋がっているのだろうかと考える。あるいは、繋いでいるのは今歩いてきた区間で、実は先ほどの分岐から栃洞金沢林道に入っていたのではないかと考える。■牛渡橋から直進方向の林道に進む。「牛渡林道」と書いてあった。■牛渡橋から路面の状態が悪くなり、最近車が通った気配も感じられなくなった。■牛渡橋から林道を20分ほど緩やかに登っていくと、T字路になっていて、突き当たりを左に行く。歩いてきた道と右方向の道は未舗装路だったが、出来山方面の左方向の道はなぜか舗装されていた。しかし、車は長い間通行していないようで、路肩の崩壊や崖崩れが見られ、放置されているように見受けられた。■舗装された道を登っていく。右側のヤブの中に所々山道のような道が分かれているが、全て見送った。■やがて、この道の終点に着いた。そこは広場のようになっていて、右奥の片隅に電柱のような形をしたアンテナが建っていた。アンテナには「国土交通省 出来山無線中継所」と書いてあった。以前、ここにはパラボラアンテナが建っていたそうで、ある書物を見ると、かなり巨大なアンテナだったようである。T字路から広場までの道は、この広場に建っていたパラボラアンテナを管理するための作業道として作られたものではないかと考えた。■広場の手前で左側の林の中に続く踏跡を入ると、すぐに出来山頂上に到着した。標識と三角点があった。三角点は一等三角点であるが、林の中で眺望は全く得られなかった。標石が、他の三角点よりも大きく立派であった。■近くには「←薮漕ぎコース」と書かれた比較的新しい道標があった。その時はピンと来なかったが、後で調べると、出来山頂上から栃洞金沢林道に続く山道があり、それを指しているようだった。■出来山頂上から元来た道を戻る。■牛渡橋を過ぎ、途中から菜畑林道に入る。栃洞の上流の沢沿いに付けられた道は、最近車が通った形跡は無かった。案の定、途中に崩壊している箇所があり、車は通行不能であった。■菜畑林道は歩行する分には全く問題なかった。菜畑林道の分岐から25分ほど歩くと、右に林道が分岐するので、ここを入る。「分水林道(自動車道)」と書かれた標柱があった。■菜畑林道は車の通行が不能なので、分水林道も車が通った形跡はもちろん無かった。■分水林道を5分ほど登っていくと、東海自然歩道と交差していて、ここから東海自然歩道に入る。■東海自然歩道は所々に道標や案内板、ベンチなどが設置されており、迷う心配もない。■東海自然歩道を15分くらい歩くと、右に自然観察路が分岐するが、ここは直進した。さらに15分くらい進むと、行きに通った椹尾分水林道に出た。ここで左折すると、数分で五六橋に着いた。■帰りは、五六橋から遊歩道に入り、5分ほど登っていくと、右に自然観察路が分岐する。■遊歩道は原生林の中に付けられていて、ブナやモミ、ツガ、ヒノキ、サワラなどの巨木を見ることができる。■五六橋から20分くらい進んだ所で、右に自然観察路が分岐する。旧裏谷小学校跡にある豊川市野外センターきららの里の方へ続いているようである。■最後の分岐から5分くらい進むと、行きに通った「愛知高原国定公園 段戸裏谷」と書かれた大きな石碑のある所に出た。ここから林道を通って段戸湖に戻った。■段戸湖付近は、段戸裏谷原生林を通る遊歩道が東海自然歩道の本線であり、椹尾分水林道は東海自然歩道の近道、自然観察路は東海自然歩道の支線という位置付けのようである。■出来山付近では誰にも会わなかったが、帰りに歩いた東海自然歩道では複数のグループと行き違った。寧比曽岳まで行くのか分からなかったが、それなりに人気が高いコースなのだと思った。■出来山往復だけならば、登山というより林道歩きといった方がふさわしい。帰りに通った東海自然歩道の方がむしろ登山道のようだった。■紅葉には少し早かったが、この付近の原生林はすばらしく、また来てみたいと思った。(2019年11月17日記載)
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