2021年1月10日(日)

奥大井
高山 無双連山

1月10日 晴

途中745 →歩→ 高山755−805 →歩→ 無双連山950−1030 →歩→ 途中1145

日帰り 単独

前週、智者山と天狗石山に登って周辺の山に興味を持ち、今回は近くの高山と無双連山に登ることにした。富士城付近で「林道 幡住線」や「←小猿郷」と書かれた標識に導かれて林道に車で入る。途中で林道は左右に分かれるが、右に進んで少し行くと、再び分岐するので、右の林道無双連山線に進む。入口に「工事車両出入口」や「林道工事を行っています 令和3年1月29日まで 時間帯 8:00〜17:00」、「ご迷惑をおかけします(文沢、青部方面) 林道本城下泉線3工区 工事のため通行止を行ないます 期間 令和2年8月31日から令和3年1月29日まで」、「本城下泉線3工区4.4km先 全面通行止」などと書かれた多数の立看板があったが、進入する。分岐から未舗装路になり、途中で高山の北側を巻くように下っていくので、その手前の高山東側の路肩に車を停めた。ここから「高山へ」と書かれた手書きの標識に従って尾根を登っていく。林道から尾根上の細い山道を10分くらい登ると、高山頂上に到着した。高山頂上は、木々で囲まれていて眺望は得られない。以前、小広い頂上にはアンテナが建っていたらしいが、現在は撤去されていて、標識や三角点があるだけである。高山頂上から南側の尾根を下っていくと、10分ほどで林道に出た。広場のようになっていて、傍らに「高山登山口」と書かれた朽ちた標識があった。林道は基本的に尾根の西側に付けられている。尾根上に山道があるのかもしれないが、林道を歩くことにした。少し行くと、行く手に無双連山が姿を現すが、だいぶ遠そうに見える。林道を30分くらい歩くと、造成された広場のような所に着いた。振り返ると、樹間に高山が見え、西側には南アルプス深南部の山々を望むことができた。「徳山・青部ヘ」と書かれた壊れかけた古い道標があったが、山道は見当たらなかった。さらに林道を5分くらい進むと、無双連山への登山道の入口に着いた。「無双連山 →」と書かれた道標と「徳山城の本城、支城、砦群の関係について」と書かれた川根本町教育委員会の看板があり、「無双連山とは、殿屋敷(1100m)から蔵屋敷まで約八〇〇米の嶺線をいう。別名本城山。」との記述が見られた。この付近からも南アルプス深南部方面を望むことができた。林道と分かれて登山道に入る。数分登ると、「徳山・青部へ」と書かれた道標があり、右に山道が分かれた。左は「無双連山方面」、林道の方には「高山方面」と書いてあった。無双連山方面には「本城まで約1.1km」と書かれた標識もあった。林道から10分ほどで標高1085m地点に着いた。ここには「清水砦」と書かれた標識や「徳山城址 清水砦」と書かれた朽ちた標柱があった。清水砦から数分行くと、「犬戻り」と書かれた標識があり、痩せた尾根を通過する。両側が切れているが、道はしっかりしていて、注意して通れば特に問題はない。清水砦から10分ほどで静岡市と島田市と川根本町の市町境のピークに着いた。「無双連山 最高点」と書かれた標識が木に付けてあった。「本城山、無双連山 ⇔ 高山、徳山」と書かれた古い標識もあった。植林の中で眺めはない。無双連山最高点から少し行くと、「ここより徳山城址」と書かれた古い標柱があり、その先に「徳山城址について」や「徳山城址見取図」と書かれた看板があった。徳山城址見取図には「殿屋敷から蔵屋敷までを無双連山と言い、3つのピークをもち、長さ800mの山嶺をなし、城址は壕をへだてて、本城と陣屋平に城郭がわかれている。陣屋平一帯は、開発された為と本城ナギの崩壊もいちじるしく、形状も判別困難となっている。」との記載があった。付近には「帯郭」や「腰郭」、「殿屋敷」と書かれた標識が散在していた。殿屋敷から「門址」や「空壕」と書かれた標識を見て、5分くらいで反射板が建つ場所に着いた。反射板には「竜頭〜大井川間多重無線 無双連山反射板 中部電力株式会社」と書いてあった。ここには「本城山」と書かれた標識もあった。南アルプス深南部方面の眺めが非常に良かった。反射板の裏手には古い石碑があり、「昭和41年度卒業生 登頂記念 42・3・11」や「登頂記念 昭和三十九年度 笹中卒業生一同 一九六五 三・一二」と書いてあるように読めた。笹中とは旧川根町立笹間中学校のことをを指しているのではないかと思う。過去に卒業記念登山が盛んに行われていたのかもしれない。反射板の近くに小屋があるとの記載を古いガイドブックで見たことがあるが、反射板の脇に潰れた小屋の残骸があった。「陣屋平」と書かれた標識を見て、反射板から5分も行くと、立木に赤ペンキで「→三角点」と書いてあり、少し登ると無双連山の三角点に到着した。無双連山を示す標識がいくつかあり、ここを無双連山頂上と捉える。周囲は木々で覆われていて眺めはない。無双連山頂上から蔵屋敷まで往復する。植林の中を緩やかに下り、途中で右側の尾根に引き込まれないように注意しながら左側の尾根の方へ進む。途中で「鍛冶屋敷」と書かれた標識を見るが、蔵屋敷はさらに先だった。無双連山頂上から蔵屋敷まで10分くらいだった。蔵屋敷の南側は大きく崩壊しているので、近づかないように注意が必要である。崩壊地は、本城ナギや本城崩、無双連崩などと呼ばれるようである。崩壊地の上から樹間に南側の山々と遠くに駿河湾や遠州灘を望むことができた。無双連山頂上まで戻り、元来た道を引き返した。帰りは、高山頂上は通らず、林道を経由して駐車地点まで戻った。以前は、坂京から高山頂上まで山道があったのではないかと思うが、現在は高山直下で林道により分断されている。林道から分かれる坂京方面の山道もあまり歩く人はいないように見えた。無双連山はP1〜P6のピークからなるとも言われていて、これに倣うと、P1は清水砦、P2は無双連山最高点、P3は殿屋敷、P4は殿屋敷と反射板の間の小ピーク、P5は無双連山三角点、P6は蔵屋敷に相当する。P2に無双連山最高点の標識があったが、実際にはP4が最も標高が高いようである。ここではP5を無双連山頂上と捉えたが、反射板が建つ場所が休憩するには手頃だと思った。無双連山は山城の跡として有名なことを知った。山腹には林道が通り、登山の対象としては冴えない山かもしれないが、かつては卒業登山で登られ、地元では愛されるふるさとの山なのだろうと思った。(2021年8月29日記載)



高山頂上1(2021年1月10日)


高山頂上2(2021年1月10日)


高山頂上3(2021年1月10日)


高山頂上の標識(2021年1月10日)


高山頂上の三角点(2021年1月10日)



高山頂上4(2021年1月10日)


高山の頂上直下にて(2021年1月10日)



無双連山(2021年1月10日)


林道から樹間に高山を見る(2021年1月10日)


智者山を見る(2021年1月10日)


大井川の先に前黒法師岳や板取山、蕎麦粒山などを望む(2021年1月10日)


大井川の奥に前黒法師岳や丸盆岳、黒法師岳、バラ谷山などを望む(2021年1月10日)


前黒法師岳や丸盆岳、黒法師岳、バラ谷山などを望む(2021年1月10日)


林道から蕎麦粒山や大札山、高塚山などを望む(2021年1月10日)


林道から大無間山を望む(2021年1月10日)


林道から樹間に光岳や加加森山、池口岳方面を望む1(2021年1月10日)


林道から樹間に光岳や加加森山、池口岳方面を望む2(2021年1月10日)



犬戻り(2021年1月10日)


無双連山最高点にて(2021年1月10日)


無双連山最高点の標識(2021年1月10日)


本城山にて(2021年1月10日)


本城山から南アルプス深南部方面の眺望(2021年1月10日)


本城山から蕎麦粒山、高塚山、竜馬ケ岳、岩岳山方面の眺望(2021年1月10日)


本城山から沢口山、前黒法師岳、バラ谷山、板取山、蕎麦粒山、大札山方面の眺望(2021年1月10日)


本城山から前黒法師岳、丸盆岳、黒法師岳、バラ谷山を望む(2021年1月10日)


本城山から光岳、加加森山、池口岳、合地山方面を望む(2021年1月10日)


無双連山頂上1(2021年1月10日)


無双連山頂上2(2021年1月10日)


無双連山頂上3(2021年1月10日)



無双連山頂上4(2021年1月10日)


無双連山頂上5(2021年1月10日)


無双連山頂上6(2021年1月10日)


無双連山頂上7(2021年1月10日)


無双連山頂上の標識(2021年1月10日)


無双連山頂上の三角点(2021年1月10日)


無双連崩1(2021年1月10日)


無双連崩2(2021年1月10日)


蔵屋敷から大谷山、夕日峠、大日山方面を望む(2021年1月10日)


蔵屋敷から高根山の向こうに海が見えた(2021年1月10日)


林道から高山を見る1(2021年1月10日)


林道から高山を見る2(2021年1月10日)


林道から高山を見る3(2021年1月10日)



林道から無双連山を振り返る1(2021年1月10日)


林道から無双連山を振り返る2(2021年1月10日)


七ツ峰(2021年1月10日)



高山 無双連山−GPS軌跡(2021年1月10日)
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、 第537号)
 承認を得て作成した複製品を第三者がさらに複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければならない。


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