■合川ダムから前ノ川に沿って国道とは思えない林道のような道を車で進む。その先に木守という集落があり、住民がいるのは驚きである。■木守からさらに林道に入る。タママツ尾根の登山口を過ぎ、トウベ谷出合の橋の手前に「法師山入口」と書かれた標識があり、近くの路肩に車を停めた。「熊出没注意!
田辺市」と書かれた看板もある。■標識に従って、林道から鉄階段を登って入山する。まもなく尾根上に出て、植林の中に付けられた山道を登っていく。眺望も無く、ひたすら登っていく。■標高900m付近に「山火事注意」と書かれた標識があり、ここから山道は右の山腹に逸れていくが、上の標高1005mの三角点に立ち寄るため、尾根をそのまま登って行くと、10分ほどで標高1005mの三角点があるピークに着いた。比較的新しく設置された四等三角点であり、点名は「高畑山」である。書物などで山名の記載は見られないが、高畑山というらしい。周囲は木々で覆われていて眺望は無い。■高畑山から法師山に向かう場合、東へ稜線を伝うが、高畑山の東面は急斜面で直接下りるのは難しそうに見えたので、「山火事注意」と書かれた標識のある所まで戻り、山腹を巻いて高畑山と法師山を結ぶ稜線に乗った。■稜線を15分くらい行くと、岩場が現れた。鎖やロープが設置されていない上に手掛かりは少なく、浮いた岩もあるので、危険度は高いと思われた。両側は切れていて、特に左側は絶壁なので、通過には細心の注意が必要である。■岩場を過ぎると、危険箇所はほとんど無いが、思っていたよりも人が歩いていないようで稜線を外さないないように注意が必要である。■標高1029m地点で右に尾根が分かれるが、直進する。高畑山から標高1029m地点まで55分くらいだった。■さらに25分ほどで標高1003m地点を通過した。標高1003m地点を過ぎると、道が幾分明瞭になるが、尾根が広がって平坦な地形になり、古い作業道が交錯しているように見え、方向に注意して進む。人為的に尾根を削って切り通しにしたような地形も見られた。■標高1003m地点から20分ほどで安川からの登山道と合流した。ちょうどそちらの方から登ってきた登山者と会った。ここで右折して15分くらい登ると、法師山頂上に到着した。■法師山頂上には、標識や三角点があり、東側は古いコンクリートで固められて要塞のようになっている。現在は撤去されているが、ここにはJR西日本の無線反射板があったそうである。コンクリートの擁壁の上から見晴らしは良好で、歩いてきた高畑山方面の稜線や百間山、入道山などの眺望が広がっていた。西側には大塔山を望むことができた。■法師山頂上からタママツ尾根へは擁壁の右側を下っていく。すぐに樹林の中に入り、以後眺望は得られなかった。尾根が広くなるので、方向を間違えないように注意する。■道が下りから登りに転じると、標高1006m地点を通過した。法師山頂上から標高1006m地点まで20分くらいだった。■標高1006m地点から尾根を下り、30分ほどで標高751m地点を通過した。■標高751m地点から傾斜が緩くなり、やがて沢音が近づいてひと下りすると、林道に出た。林道を5分くらい歩いて駐車地点のトウベ谷出合に戻った。■法師山は、標高が低いわりに山深く、秘境の雰囲気が色濃く漂う山であった。険しい岩場の通過などもあり、変化のあるコースで楽しむことができた。(2021年11月21日記載)
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