2021年3月22日(月)

果無
石地力山

3月22日 曇〜晴

昴の郷635 →歩→ 柳本橋640 →歩→ 果無725 →歩→ 果無観音堂840 →歩→ 果無峠915−920 →歩→ 果無山925−930 →歩→ 石地力山950−1010 →歩→ 果無山1035 →歩→ 果無峠1040 →歩→ 果無観音堂1100−1105 →歩→ 果無1215 ⇒バス⇒ 十津川温泉

日帰り 単独

昴の郷の駐車場に車を置いて出発する。近くの山の斜面でサルが騒いでいた。国道の旧道ではないかと思うが、昴の郷の奥に古そうな狭いトンネルがあり、これを抜けて右折すると、西川に架かる柳本橋と書かれた吊橋があるので、これを渡って対岸に移った。吊橋には「危険 一度に5名以上渡橋しないでください。」と書いてあった。道なりに民家の脇を通り抜け、道標に従って小道を登っていくと、車道に出た。その向かいに「熊野参詣道 小辺路(果無峠) 登山口」と書かれた標柱があり、山の斜面に道が付けられているので、ここを登って行く。石畳の道を20分くらい登ると眺めが良い場所がある。ここを過ぎると勾配が緩くなり、「小辺路歩行の皆さんへ このトビラ(柵)は、野生の猪・鹿などで農作物・農地を荒され被害が多発しており進入防止の対策としたものであります。ご面倒なことですがご理解お願いします。」と書かれたゲートがある。ゲートを過ぎると、果無集落に入っていく。果無集落からは田植え前の水田越しに周囲の山々を望むことができた。民家の間を通り抜けてスイセンなどの花が咲く小道を行くと、世界遺産石碑の近くで車道に出た。「世界遺産石碑前」というバス停があった。車道を上に少し行くと左に山道が分かれるので、ここを入って登っていくと、無住と思われる民家の庭先を通り過ぎて再び車道に出た。右にわずかに行くと「小辺路登山口上」」というバス停があり、ここにも「熊野参詣道 小辺路(果無峠) 登山口」と書かれた標柱があり、上に道が続いているので、ここを登って行く。最初は石畳があるが、少し行くと山道となる。この山道が小辺路と言われる古道である。小辺路はいわゆる熊野古道の一つであり、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素となっている。植林の中に付けられた道は、緩やかでよく整備されていて歩きやすい。登山口から25分くらいで天水田跡という所に着いた。前方に大きな山が見え、小辺路はそのどこかを乗り越しているのだろうと思う。天水田跡から10分ほど行くと、山口茶屋跡という場所を通過した。登山口から所々道端に観音石仏が祀られている。西国三十三番札所を模したものと思われ、果無集落の登山口が第三十番で果無峠に向かって数が少なくなっていく。第二十二番を過ぎると徐々に勾配が急になり、第二十番の手前で果無観音堂に着いた。どこからか水が引いてあり、「世界遺産登録記念登山 給水所」と書いてあった。傍らにプレハブ小屋があったが、鍵がかかっていたので、避難用ではなく作業用と思われた。果無観音堂から左右にカーブしながら登っていく。途中で伐採されて眺めが良い場所もあった。山腹に桟道が付けられている所を過ぎると、まもなく果無峠に着いた。広くなっていて、宝篋印塔や第十七番の観音石仏があった。果無峠で右折して小辺路を離れ、稜線を西にたどる。道はあるが、果無峠までの小辺路があまりにもよく整備されていたので、急に道が悪くなったような気がする。果無峠から5分ほどで「果無山」と書かれた標識のある小ピークを通り過ぎた。果無山頂上から稜線を下っていくと、錆びついた動物捕獲用の檻が放置されているのを見る。前方の樹間には石地力山と思われるピークが意外と大きく見えるが、実際に歩いていくと、それほどきつい登り返しもなく石地力山頂上に到着した。石地力山頂上には、標識や三角点があった。石地力山頂上から西側の眺望が良かったのは、予想外だった。冷水山や牛廻山方面の眺望が非常に良く、伯母子岳と思しき山を望むこともできた。しばらくゆっくりしたいような場所だったが、晴れているのに風が強く、わずかに雪も舞っていてとても寒かったので、適当なところで切り上げて出発した。石地力山頂上から元来た道を戻った。帰りは果無集落の登山口から車道を下っていくと、途中で石地力山を望むことができた。「中果無」というバス停を通り過ぎて少し行くと、行きに通った世界遺産石碑に着いた。果無から十津川温泉に行く町営バスが月曜のみ2便、すなわち週に2便のみ運行されているらしく、膝の調子も万全でないし、ちょうどバスが来る時間だったので、「世界遺産石碑前」のバス停から乗車した。バスと言っても、来たのはワゴン車だった。運転手に地元の人か聞かれたが、もちろん他所の者だと答えた。乗客は自分一人のみで、途中の乗り降りも皆無だった。降車時、運転手に運賃を尋ねると、普段乗る人がいないから調べないと分からないと言って調べてくれた。錠の付いた大きな貯金箱のような箱があり、それに硬貨を1枚ずつ投入して下車した。週に2便で普段乗る人もいないのに運行されている路線ということで不思議に思うが、行政サービスとして住民がいる限り運行し続けるというスタンスなのかもしれないと考えた。十津川温泉から昴の郷まで歩き、車を回収して帰途に就いた。平日だったので、山中で人に会うことはなかった。今回歩いた果無峠までの道は熊野古道の一部であり、いかにも古の峠道という風情で興味深かった。(2021年12月19日記載)



柳本橋1(2021年3月22日)


柳本橋2(2021年3月22日)


果無集落を目指して石畳の道を登っていく(2021年3月22日)


果無集落にて1(2021年3月22日)


果無集落にて2(2021年3月22日)


果無集落にて3(2021年3月22日)


果無集落から石地力山方面を望む(2021年3月22日)


 果無集落にて4(2021年3月22日)


果無集落にて5(2021年3月22日)


果無集落にある世界遺産石碑1(2021年3月22日)


果無集落にある世界遺産石碑2(2021年3月22日)


天水田から果無越を望む(2021年3月22日)


果無観音堂(2021年3月22日)


果無観音堂と果無峠の間で行仙岳方面を望む(2021年3月22日)


果無観音堂と果無峠の間で中八人山方面をを望む1(2021年3月22日)


果無観音堂と果無峠の間で伯母子岳方面を望む(2021年3月22日)
  

果無観音堂と果無峠の間で三浦峠方面を見る(2021年3月22日)
  

果無観音堂と果無峠の間で中八人山方面を望む(2021年3月22日)
  

  果無峠にて1(2021年3月22日)
  

果無峠にて2(2021年3月22日)
  

果無峠にて3(2021年3月22日)
  

果無山頂上(2021年3月22日)
  

    果無山頂上の標識(2021年3月22日)
  

    果無山付近にて(2021年3月22日)
   

石地力山頂上1(2021年3月22日)


石地力山頂上2(2021年3月22日)


石地力山頂上3(2021年3月22日)


石地力山頂上に標識1(2021年3月22日)


石地力山頂上の標識2(2021年3月22日)


 石地力山頂上の三角点(2021年3月22日)


石地力山頂上から冷水山方面に続く果無山脈を眺める1(2021年3月22日)


石地力山頂上から冷水山や牛廻山方面を望む(2021年3月22日)


石地力山頂上から牛廻山を望む1(2021年3月22日)


石地力山頂上から牛廻山を望む2(2021年3月22日)


石地力山頂上から鉾尖岳方面を望む(2021年3月22日)


石地力山頂上付近にて1(2021年3月22日)


石地力山頂上付近にて2(2021年3月22日)


下山途中に果無観音堂と山口茶屋跡の間で玉置山や大森山を望む(2021年3月22日)


下山途中に果無観音堂と山口茶屋跡の間で玉置山を望む(2021年3月22日)


下山途中に果無観音堂と山口茶屋跡の間で大森山を見る(2021年3月22日)


帰りに果無集落付近から石地力山方面を見る(2021年3月22日)


果無集落に戻る(2021年3月22日)

  
  果無集落から行仙岳を見る(2021年3月22日)


果無集落にある世界遺産石碑3(2021年3月22日)


石地力山−GPS軌跡(2021年3月22日)
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、 第537号)
 承認を得て作成した複製品を第三者がさらに複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければならない。


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