2022年10月22日(土)

奥高野
城ケ森山 亀谷山 上湯川岳

10月22日 曇〜晴

途中645 →歩→ 城ケ森山720−740 →歩→ 亀谷山910−935→歩→ 上湯川岳1130−1145 →歩→ 札ノ辻1200 →歩→ 途中1225

日帰り 単独

護摩壇山の方から白馬林道を進んでいくと、左に城ケ森山方面への道が分岐する地点に達する。入口のゲートは閉ざされていて、「通行禁止 これより先は、住友林業(株)の作業道及び建設省城ヶ森山レーダ雨量計管理用通路につき、一般の通行を禁止します。」や「城ヶ森山レーダ雨量観測所案内板 この施設は、建設省の城ヶ森山レーダ雨量観測所です。この観測所から電波を発射し、雨に当って跳ね返ってくる電波の強さとその時間から雨量・雨域の分布や、雨の動きを観測するものです。」と書かれた古い看板があった。ゲートの前にちょうど駐車できるスペースがあったので、ここに車を置いて出発した。白馬林道から分岐する作業道は舗装されていて、車が通った形跡も窺える。道なりにカーブしながら登っていくと、途中に眺めの良さそうな場所もあったが、ガスで近くの城ケ森山も霞んでいた。やがて上湯川岳と城ケ森山の鞍部に着いた。作業道入口から20分くらいだった。ここから右に未舗装の廃林道のような道が分かれるが、直進する。分岐から5分ほど行くと、作業道は右にカーブしていて、直進方向に未舗装の林道が分かれる。右の作業道には比較的新しいゲートがあり、さらに道なりに進んでいくと、正面に巨大なドーム型アンテナが姿を現した。アンテナの左側を登っていくと、アンテナ裏手の駐車場のような広場に到着した。広場からアンテナの脇を通り過ぎて西側の高みに上がると、標識や三角点があり、そこが城ケ森山頂上であった。結局、城ケ森山頂上まで舗装道が続いていて、車道歩きで登頂してしまった。巨大なアンテナと周囲の木々により眺望は良くないが、北側の遠くの方に金剛山と思しき山を望むことができた。城ケ森山頂上で休憩した後、亀谷山を目指して南側の尾根を下っていく。道標などは無いので、地図を見て方向を確認して進む。城ケ森山頂上から5分ほど下ると、鞍部に着いた。「亀谷原生林県自然環境保全地域 指定年月日 昭和52年3月26日」と書かれた看板があり、尾根の右側には廃林道のような道が近づいてくる。尾根の左側に山道が分かれるが、尾根上を進むことにする。5分くらい登ると小ピークに着いた。ここで直進しそうになるが、左折して尾根を下っていく。少し下ると、左後方から山道が合流した。先ほどの鞍部から尾根の左側の山道に入れば小ピークを巻くことができたようで、帰りは巻道を通った。亀谷山まで稜線を忠実にたどろうと考えていたが、龍神街道という古道が思っていたよりも明瞭で小ピークを巻きながら付けられているので、それに従って進むことにする。標高1114m地点手前の鞍部で稜線の右側に廃林道が現れた。標高1114m地点は廃林道と反対の左側を巻いた。標高1114m地点を巻いて再び稜線に乗ると、稜線の反対側に廃林道は見られなかった。この時は廃林道がどこから来ているのか分からなかったが、城ケ森山南側の鞍部で見た廃林道が標高1114m地点付近まで続いていることが帰りに分かった。古道は次の小ピークも左側から巻いて、向きを東に変えた。標高1126m地点付近は伐採されていて、少しだけ南側の眺望が開けていた。キリコシ辻方面の稜線を望むことができた。城ケ森山から標高1126m地点まで55分くらいだった。標高1126m地点を過ぎると稜線は広がり、広い緩やかな稜線上を進むようになる。二重山稜のような地形も見られ、道に迷わないように注意が必要であるが、目印のテープやリボンが多く、それらを拾いながら進めば特に問題はなかった。2万5千分の1地形図には、亀谷山の手前から小森の方に下る道が記載されているが、そのような道は見当たらず、稜線に沿って登っていくと、亀谷山頂上に到着した。亀谷山頂上は、木々で覆われていて眺めは無い。私製の標識と三角点があるだけの静かな頂上だった。亀谷山頂上でしばらく休憩した後、元来た道を「亀谷原生林県自然環境保全地域」と書かれた看板のある城ケ森山南側の鞍部まで戻った.。帰りは1時間20分くらいだった。城ケ森山南側の鞍部で尾根から下りて廃林道に入り、城ケ森山の西側を巻いていく。法面や路肩が崩れている箇所が多く、車の通行は不能であるが、歩く分には問題なかった。鞍部から15分くらい行くと、右手にブナの巨木を見て眺めの良い箇所に着いた。ここで右に回り込んでいくと、別の廃林道がUターンするようにカーブしている所に出た。この廃林道は2万5千分の1地形図に記載がある道である。歩いてきた道はここから分岐しているようで「一般車通行止 ここから先は、造林用作業道です。交通安全及び山火事防止対策上一般車の通行を固くお断りいたします。平成2年2月」と書かれた看板があった。廃林道を右に緩やかに数分登ると、行きに通った上湯川岳と城ケ森山の鞍部に出た。ここから尾根に取り付き、上湯川岳頂上に向かって登っていく。道は不明瞭であるが、目印に従って鞍部から10分くらい登ると、上湯川岳頂上に到着した。上湯川岳頂上は広いが、木々で覆われていて眺めはなく、樹間に城ケ森山をわずかに望むことができる程度だった。中央に「上湯川岳(かみゆかわだけ) 有田川町最高峰 標高一.二六一メートル 平成二十八年八月十一日建立 有田川町」と書かれた標柱があった。古い書物では、上湯川岳は城ケ森山北峰と捉えられていたと思うが、2016年に有田川町が町の最高峰として「上湯川岳」と名付けたそうで、現在では2万5千分の1地形図にも山名が記載されている。上湯川岳頂上からスタート地点の作業道入口方面と西側の札ノ辻方面に道があるように見えた。せっかくなので、もう少し歩こうと思い、札ノ辻方面に下っていく。歩く人は多くないようで道も不明瞭だが、目印が多いので迷うこともない。やがて右下に林道が見えてきて、道が二手に分かれているように見える箇所に着いた。この付近は龍神街道の札ノ辻と呼ばれる地点と思われた。札ノ辻から右に行くと、林道の切り通しの擁壁の上に出てしまい下りることができないので、戻って左に行くと、突き当たりに「山」と書かれた大きな標石があった。ここで左折して下っていくと、白馬林道から廃林道が分岐する地点に下り立つことができた。車の通行は無理だが、廃林道を行けば、先ほどの上湯川岳と城ケ森山の鞍部に出ることができそうだ。ここから白馬林道を通って駐車地点に戻ることにした。龍神街道は、白馬林道の切り通しによって分断されてしまっているようだった。切り通しの少し東側の法面には階段があり、先ほどは気がつかなかったが、ここから林道に下りることもできたようである。古い書物によると、護摩壇山方面と若藪山方面を往来する場合、現在の作業道と廃林道を通って上湯川岳の南側を抜けていたように見受けられるが、それとは別に龍神街道を分断して上湯川岳の北側を通る現在の林道が作られたのはどうしてなのだろうかと思った。廃林道の分岐から白馬林道を15分くらい歩いて駐車地点まで戻った。城ケ森山付近は、多少は人がいるかと思っていたが、誰にも会わなかった。城ケ森山頂上までの作業道や城ケ森山頂上にあるアンテナ施設は景観を損ねているように思えたが、城ケ森山から亀谷山にかけての自然林は見事であった。クマの糞と思しきものが随所で見られ、ツキノワグマが一定数生息しているものと思われた。紅葉には1〜2週間早かったが、静かな秋の山を楽しむことができて良かったと思う。(2023年9月4日記載)



作業道から雲に煙る城ケ森山(2022年10月22日)


城ケ森山レーダー雨量観測所(2022年10月22日)


城ケ森山頂上1(2022年10月22日)


城ケ森山頂上2(2022年10月22日)


城ケ森山頂上3(2022年10月22日)


城ケ森山頂上4(2022年10月22日)


城ケ森山頂上5(2022年10月22日)


城ケ森山頂上の標識(2022年10月22日)


城ケ森山頂上の三角点(2022年10月22日)


城ケ森山頂上から金剛山方面を望む(2022年10月22日)


城ケ森山頂上から北側の眺望(2022年10月22日)


城ケ森山付近にて(2022年10月22日)


城ケ森山頂上から南に下る途中で水ケ宝形山方面を望む(2022年10月22日)


城ケ森山から亀谷山へ龍神街道を行く1(2022年10月22日)


城ケ森山から亀谷山へ龍神街道を行く2(2022年10月22日)


城ケ森山から亀谷山へ龍神街道を行く3(2022年10月22日)


標高1126m地点付近からキリコシ辻方面の稜線を望む(2022年10月22日)


亀谷山頂上1(2022年10月22日)


亀谷山頂上2(2022年10月22日)


亀谷山頂上3(2022年10月22日)


亀谷山頂上4(2022年10月22日)


亀谷山頂上の標識(2022年10月22日)


亀谷山頂上の三角点(2022年10月22日)


亀谷山頂上5(2022年10月22日)


亀谷山付近にて(2022年10月22日)


標高1126m地点付近から樹間に城ケ森山を見る(2022年10月22日)


城ケ森山の西側を巻く廃林道から臼ケ岡山、若藪山方面を望む(2022年10月22日)


山中の紅葉(2022年10月22日)


ブナの巨木1(2022年10月22日)


ブナの巨木2(2022年10月22日)


城ケ森山の西側を巻く廃林道から生石高原方面を望む(2022年10月22日)


城ケ森山の西側を巻く廃林道から水ケ宝形山を望む(2022年10月22日)


上湯川岳頂上1(2022年10月22日)


上湯川岳頂上2(2022年10月22日)


上湯川岳頂上の標柱(2022年10月22日)


上湯川岳頂上から城ケ森山を見る(2022年10月22日)


白馬林道から上湯川岳を見る(2022年10月22日)


城ケ森山 亀谷山 上湯川岳−GPS軌跡(2022年10月22日)
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、 第537号)
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