2022年12月24日(土)

台高
高峰山

12月24日 

千仭橋710 →歩→ 傳唐大橋755 →歩→ 矢ノ川隧道835−840 →歩→ 矢ノ川峠945−955 →歩→ 古川山1110−1115 →歩→ 高峰山1150−1210 →歩→ 古川山1300−1310 →歩→ 矢ノ川峠1415−1420 →歩→ 矢ノ川隧道1515 →歩→ 傳唐大橋1550 →歩→ 千仭橋1620

日帰り 単独

高峰山は尾鷲の山であるが、古いガイドブックで台高山脈の南端に位置する山として紹介されていて興味を持ったので、登りに出かける。尾鷲から車で国道を矢ノ川トンネル方面に登っていき、矢ノ川に架かる千仭橋の手前の公衆電話がある路側帯に車を停める。千仭橋から矢ノ川峠昭和道と言われる国道の旧道が分かれるので、そこを入る。旧国道は何年か前は車が進入できたようだが、現在は入口に「全面通行止 連絡先:尾鷲市 建設課」と書かれたゲートがあり、通行できなくなっている。「通行止」や「市道矢ノ川線 お知らせ 工事関係車両以外通行止め。この先、未舗装のため地上高の低い車は走行出来ません。落石多数 タイヤ・車の破損の恐れあり 尾鷲市」と書かれた看板もあった。旧国道に入ると、すぐに懐古橋という橋を過ぎる。旧国道は、最初から未舗装路である。紅葉橋という橋を通り、千仭橋から15分ほど歩いて瀧見橋という橋を過ぎると、左に「矢ノ川峠開鑿記念碑 昭和十五年三月建之」と書かれた古い石碑を見る。記念碑から数分行くと、南谷大橋という橋があり、南谷の対岸に渡る。南谷大橋から現国道に再び近づいて樹間に千仭橋が見える。千仭橋から25分くらいで第一隧道に着いた。素掘りのトンネルであった。第一隧道から10分くらい行くと、道の脇が広くなっている場所があり、その先で右手に2019年度に作られた新しい堰堤を見る。堰堤から数分進むと、第二隧道が現れる。後で補修したものと思われるが、コンクリートで覆われていて一見新しそうに見えた。第二隧道を過ぎると、左手の下方に現国道の矢ノ川トンネル尾鷲側坑口にあるトンネル関連施設と思われる建造物が見えた。千仭橋から45分くらいで第三隧道を通過した。そのすぐ先で傳唐大橋という橋を渡る。傳唐大橋を渡ると、「矢ノ川峠 伝唐越え 登山口」と書かれた手製の標識があり、矢ノ川峠江戸道が分岐しているようだが、あまり明瞭な道ではないようである。傳唐大橋から5分ほどで第四隧道を通過した。第三隧道と第四隧道も古い素掘りのトンネルだった。第四隧道から35分くらいで矢ノ川隧道に着いた。矢ノ川隧道は、これまでのトンネルの中で最も立派な作りで、前後の擁壁は石積みやコンクリートで固められていて、坑口のアーチは石積みで題額に「道隧川ノ矢」と刻まれていた。矢ノ川隧道を過ぎると、すぐに右に八十谷林道という三木里方面への道が分岐する。「←高峰山登り口 矢ノ川峠 →三木里」と書かれた古い道標があった。右に行くと、日本初のロープウェイと言われる矢ノ川安全索道の山上駅跡や矢ノ川峠明治道に行くことができるようである。分岐を左に進むと、左にカーブしながら矢ノ川隧道の上部を通って西に抜けていく。この付近は道がループ状になっている。矢ノ川隧道から10分ほど行くと、右手にアンテナが建っているのを見る。さらに10分くらい行くと、右側に広場があり、道が舗装路になる。すぐに左後方に道が分岐する。近くの電波塔に続く作業道のようで、入口は鎖で塞がれていた。分岐を過ぎると、道は再び未舗装路となり、これまでよりも荒れた感じになる。旧国道は稜線の北側に付けられているが、数か所で稜線上の方へ山道が分岐していて「尾鷲トレイル」と書かれた標識がある。途中に「茶屋跡まで2.5KM」の標識があり、そこから40分くらいで矢ノ川峠に到着した。矢ノ川峠は眺めが良く、一休みするのにちょうど良い。矢ノ川峠まで通行止であるが、通行止でなければ車で来ることもできそうでだった。矢ノ川峠の熊野側は荒れていて、車は通れそうもない。矢ノ川峠から「高峰山登山口」と書かれた標識に従って登山道に入る。矢ノ川峠から10分くらいで電柱の建つ古そうな小さな施設を見る。さらに15分くらい登ると、稜線上が開けて比較的新しいアンテナが建つ場所に着いた。「国土交通省 矢の川無線中継所」と書いてあった。ここから保色山を望むことができた。標高1030m地点には、山名板があり、古川山ということを知った。矢ノ川無線中継所から稜線をたどって古川山まで50分くらいだった。途中で高峰山が大きく見える箇所もあった。古川山の頂上部は広く、好ましい雰囲気だった。傍らに巨木が見られた。古川山から方向に注意して北側の尾根を下っていく。やや道が不明瞭な部分もある。古川山から10分くらい下ると鞍部に着き、八幡トンネル方面からの道と合流した。「川原木屋分岐 ←高峰山 矢ノ川峠→」や「←頂上約30分 ↓登山口約30分 登山口約60分→」と書かれた道標があった。川原木屋分岐から登りに転じ、高峰山頂上が近づくと岩場のような場所もあり、やや険しくなる。川原木屋分岐から25分くらいで高峰山頂上に到着した。標識や三角点があり、坂本貯水池方向に連なる稜線やマブシ嶺、大台ケ原方面、尾鷲市街、熊野灘などを望むことができた。大台ケ原方面は白く、雪山の様相だった。高峰山頂上は北側に少し積雪があり、風が強く寒かった。高峰山頂上でしばらく休憩した後、元来た道を矢ノ川峠に戻った。帰りは、高峰山頂上の隣のピークに立ち寄ってみたが、特に何も無かった。矢ノ川峠に戻る頃には日が傾き始めていて、その後、旧国道を急いで下っていき、千仭橋には日没前に戻ることができた。千仭橋に近づいてカーブを曲がった所で黒っぽい動物が現れ、一瞬クマかと思ったが、カモシカであった。矢ノ川峠を越える旧国道は、紀勢本線が開通する1959年7月まで国鉄バス紀南線が尾鷲と熊野市を結んで1日に5往復程度運行されていたということである。旧国道は林道のような道で、ここを大型バスが毎日往来していたとはとても想像できなかった。当時は矢ノ川峠に女主人が営む茶屋があり、いつも人がいて賑わっていたようである。現在ではその面影もなく、この日は人に会うこともなかった。矢ノ川峠の傍らにある石碑には「冬の日の ぬくもり やさし 茶屋のあと 稲田のぶへ眠る」と記してあり、往時が偲ばれる。車で矢ノ川峠まで入ることができれば、矢ノ川峠から高峰山を往復するだけで千仭橋から矢ノ川峠までの往復18kmを歩くことはなかったと思うが、通行止ゆえに過去に思いを馳せながらいにしえの道を歩くことができて良かったと思う。(2024年1月31日記載)



千仭橋(2022年12月24日)


旧国道を行く1(2022年12月24日)


第一隧道にて1(2022年12月24日)


第一隧道にて2(2022年12月24日)


第一隧道にて3(2022年12月24日)


第二隧道にて1(2022年12月24日)


第二隧道にて2(2022年12月24日)


第三隧道にて1(2022年12月24日)


第三隧道にて2(2022年12月24日)


第三隧道にて3(2022年12月24日)


傳唐大橋1(2022年12月24日)


傳唐大橋2(2022年12月25日)


第四隧道にて1(2022年12月24日)


第四隧道にて2(2022年12月24日)


旧国道を行く2(2022年12月10日)


高峰山方面を見る(2022年12月24日)


矢ノ川隧道1(2022年12月10日)


矢ノ川隧道2(2022年12月24日)


旧国道より賀田湾を望む(2022年12月24日)


旧国道から東に連なる山を見る(2022年12月24日)


矢ノ川峠手前から熊野灘を望む(2022年12月24日)


矢ノ川峠から尾鷲湾を望む(2022年12月24日)


矢ノ川峠から八鬼山方向を望む(2022年12月24日)


矢ノ川峠から熊野灘、三木浦方面を望む(2022年12月24日)


矢ノ川峠にて(2022年12月24日)


矢ノ川峠の標識(2022年12月24日)


矢ノ川峠1(2022年12月24日)


矢ノ川峠2(2022年12月24日)


矢ノ川峠3(2022年12月24日)


矢ノ川峠の熊野側は廃道状態だった(2022年12月24日)


矢ノ川峠の石碑(2022年12月24日)


矢の川無線中継所から保色山を望む(2022年12月24日)


高峰山(2022年12月24日)


古川山付近にて(2022年12月24日)


古川山頂上1(2022年12月24日)
 

古川山頂上2(2022年12月24日)
 

古川山頂上の巨木1(2022年12月24日)


古川山頂上の巨木2(2022年12月24日)


高峰山頂上1(2022年12月24日)


高峰山頂上2(2022年12月24日)


高峰山頂上3(2022年12月24日)


高峰山頂上4(2022年12月24日)


高峰山頂上5(2022年12月24日)


高峰山頂上6(2022年12月24日)


高峰山頂上7(2022年12月24日)


高峰山頂上の三角点(2022年12月24日)


高峰山頂上から坂本貯水池方向に連なる稜線を見る(2022年12月24日)


高峰山頂上から大台ケ原方面を望む1(2022年12月24日)


高峰山頂上から大台ケ原方面を望む2(2022年12月24日)


高峰山頂上から賀田湾、熊野灘方面を望む(2022年12月24日)


高峰山頂上から尾鷲市街や天狗倉山を見る1(2022年12月24日)


高峰山頂上から尾鷲市街や天狗倉山を見る2(2022年12月24日)


高峰山付近の巨木(2022年12月24日)


高峰山付近の岩場(2022年12月24日)


高峰山付近から橡山を見る(2022年12月24日)


高峰山を振り返る1(2022年12月24日)


高峰山を振り返る2(2022年12月24日)


高峰山を振り返る3(2022年12月24日)


古川山付近からゲジョ山、新宮方面を望む(2022年12月24日)


矢ノ川峠に戻る1(2022年12月24日)


矢ノ川峠に戻る2(2022年12月24日)


矢ノ川峠に戻る3(2022年12月24日)
 

旧国道でカモシカに遭遇した(2022年12月24日


高峰山−GPS軌跡(2022年12月24日)
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、 第537号)
 承認を得て作成した複製品を第三者がさらに複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければならない。



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