2023年12月2日(土)

奥高野

陣ノ峰

12月2日 晴〜曇

中津川825 →歩→ 矢筈山950−955 →歩→ 矢放峠1000 →歩→ 陣ノ峰1025−1045 →歩→ 矢放峠1110 →歩→ 中津川1220

日帰り 単独

前月、奥高野の陣ケ峰に登ったが、奥高野には陣ノ峰という似たような名前の山があることを予てから知っていた。古いガイドブックや登山地図では、野迫川村の荒神社から立里や中津川を経て、旧大塔村の飛養曽へ抜けるコースが紹介されている。現在では、立里から中津川へ歩いて行くのは困難ではないかと思われる。以前、中津川に近い池津川沿いの県道を車で通ったことがあるが、県道と言えども非常に険しい道で、いつ廃道になってもおかしくないような道だった。いずれ中津川にも車で行けなくなるのではないかと思えて、今のうちに中津川から陣ノ峰に登っておこうと考えて出かけることにした。車で池津川集落を過ぎ、釜落谷方面への平川釜落林道を分けると、県道は舗装されているものの非常に細く険しい道となる。小屋がある紫園を過ぎ、タカノハノ滝付近で左に中津川への道が分岐する。中津川方面には「この先行止り」と書かれた標識があった。分岐から少し行くと「金ヤ渕中津川線 村道開設記念碑」と書かれた石碑が道端にあった。裏面を見ると「施行主体 野迫川村 巾員 三・〇米 延長 二〇七四・七米 総事業費 壱億六千七百拾萬圓 期間 自 昭和五十一年 至 昭和六十年 この碑は 野迫川村制百周年を記念して建立する 平成元年四月吉日」と書いてあった。落石の多い坂道をしばらく登っていくと、やがて中津川に到着した。集落跡に入ると、旧中津川小学校の建物があり、その脇は校庭の跡のようで広くなっていて、傍らに「野迫川村 中津川」と書かれた青い標識が建っていた。ここに車を停めて出発する。すぐ近くの集落の入口に神社があり、ここから入山することにした。石段を登ると祠があり、その脇を通り過ぎて裏手の尾根を登っていく。中津川から15分くらいで標高825m地点を通過した。国土地理院の地形図では、標高900mから標高1010mにかけて、道は尾根を巻いて付けられているが、尾根上を登っていった。標高1010m付近から植林を抜けて自然林になった。まだ雪は無いのではないかと思っていたが、途中から積雪があった。標高1050mから尾根が広がり、国土地理院の地形図では道は尾根の西側を巻いているが、尾根上を忠実に辿っていった。付近には、クマ棚が見られた。標高1070mの小ピークで樹間に陣ノ峰が姿を現した。思いのほか遠くに見えるが、その山容は想像していた以上に立派なものであった。標高1096m地点まで中津川から1時間10分くらいだった。右手の樹間に陣ノ峰を見ながら進んでいく。標高1096m地点から5分ほどで国土地理院の地形図の道と再び合流し、矢放峠に向けて進んでいくと、道は尾根から右に逸れていくように見え、少し外れ過ぎているように感じたので、尾根上を登っていった。尾根を登り詰めると、標高1151mのピークに着いた。「矢筈山 1151m」と書かれた手製の標識があった。矢筈山から方向に気をつけながら矢放峠に下りる。道は無いが、急斜面を5分も下ると、矢放峠に着いた。矢放峠は、峠らしくない場所だった。看板のような物が倒れていたが、文字は消えていて何が書いてあったのか分からなかった。ここから植林の尾根に沿って進むようになる。矢放峠から10分くらい緩やかに下っていくが、その後、登りに転じて15分ほどで陣ノ峰頂上に到着した。陣ノ峰頂上は半ば植林の中であるが、北側は自然林が残っている。「ジノムネ 1177.4」と書かれた朽ちた標識や「二等三角点 点名 不動曽」と書かれた古い標識や「本州製紙(株)所有山林」と書かれた石柱や三角点があった。陣ノ峰頂上でしばらく休んだ後、元来た道を戻った。帰りは、矢放峠から矢筈山頂上を巻いた。結局、行きに外れ過ぎていると感じた道が巻道だった。巻道にも「本州製紙(株)所有山林」と書かれた石柱があった。標高1096m地点も巻いた。国土地理院の地形図にある道を通って標高1070mの小ピーク付近で行きに通った道に復帰した。中津川に近づくと、東側の植林の方に踏跡があったので、そこを通って中津川集落跡の中央部の方へ下っていった。植林の中に廃屋が現れ、一斗缶や一升瓶、壺、釜などが散乱しているような場所もあった。最後は、水場跡のような所で車道に出た。車道を少し歩いて、車を停めた旧中津川小学校に戻ることができた。中津川は、人が住まなくなってから久しく、訪ねる人もほとんどいないように思われたが、見た感じでは植林の手入れのために訪れる人はいるのではないか思った。そうであれば、車で中津川まで来られなくなることは当面無いのかもしれない。積雪があったためよく分からなかったが、おそらく中津川から陣ノ峰まで山道はあると思われる。陣ノ峰は、植林で覆われた面白みの無い山なのではないかと思っていたが、標高1010m付近から矢筈山にかけての自然林はとても好ましい雰囲気で、そこから見える陣ノ峰の山容もすばらしかった。現在では、陣ノ峰を取り上げたガイドブックなどは皆無と思われ、登山地図や国土地理院の地形図にも山名の表記は無く、陣ノ峰に登る人もほとんどいないように思われるが、もっと見直されても良い山であると思った。過去にガイドブックや登山地図で紹介されていたのも頷けるのである。いずれにしても、今回、予定通り陣ノ峰に登ることができて満足であった。(2024年8月26日記載)



中津川集落の入口にある神社1(2023年12月2日)



中津川集落の入口にある神社2(2023年12月2日)


中津川から矢放峠に向かう1(2023年12月2日)


中津川から矢放峠に向かう2(2023年12月2日)



中津川から矢放峠に向かう3(2023年12月2日)


中津川から矢放峠に向かう4(2023年12月2日)



中津川から矢放峠に向かう5(2023年12月2日)



中津川から矢放峠に向かう6(2023年12月2日)


標高1070mの小ピーク付近から陣ノ峰を望む1(2023年12月2日)


標高1070mの小ピーク付近から陣ノ峰を望む2(2023年12月2日)



標高1070mの小ピーク付近から陣ノ峰を望む3(2023年12月2日)



標高1096m地点の手前にて(2023年12月2日)



標高1096m地点の手前から陣ノ峰を望む1(2023年12月2日)



標高1096m地点の手前から陣ノ峰を望む2(2023年12月2日)



標高1096m地点の手前で矢筈山を見る(2023年12月2日)


標高1096m地点付近から陣ノ峰を望む1(2023年12月2日)


標高1096m地点付近から陣ノ峰を望む1(2023年12月2日)


矢筈山の標識(2023年12月2日)


矢筈山頂上1(2023年12月2日)


矢筈山頂上2(2023年12月2日)


矢筈山頂上3(2023年12月2日


陣ノ峰頂上手前1(2023年12月2日)



陣ノ峰頂上手前2(2023年12月2日)


陣ノ峰頂上1(2023年12月2日)



陣ノ峰頂上2(2023年12月2日)



陣ノ峰頂上3(2023年12月2日)


陣ノ峰頂上4(2023年12月2日)


陣ノ峰頂上5(2023年12月2日)


陣ノ峰頂上の三角点1(2023年12月2日)


陣ノ峰頂上の三角点2(2023年12月2日)


陣ノ峰頂上の標識(2023年12月2日)


陣ノ峰頂上から東側を見る(2023年12月2日)


陣ノ峰頂上から西側を見る(2023年12月2日


矢放峠付近にて(2023年12月2日)



矢筈山の巻道から陣ノ峰を望む1(2023年12月2日)


矢筈山の巻道から陣ノ峰を望む2(2023年12月2日)



標高1096m地点の巻道にて1(2023年12月2日)


標高1096m地点の巻道にて2(2023年12月2日)


標高1096m地点の巻道にて3(2023年12月2日)



標高1096m地点の巻道にて4(2023年12月2日)



標高1096m地点の巻道にて5(2023年12月2日)


標高1096m地点の巻道にて6(2023年12月2日)


中津川集落跡(2023年12月2日)


旧中津川小学校1(2023年12月2日)


旧中津川小学校2(2023年12月2日)


旧中津川小学校3(2023年12月2日)


中津川集落の入口にある神社3(2023年12月2日)


中津川集落の入口にある神社4(2023年12月2日)



中津川集落の入口にある神社5(2023年12月2日)


タカノハノ滝二ノ滝の上段(2023年12月2日)



県道から中津川への林道の分岐にて(2023年12月2日)



陣ノ峰−GPS軌跡(2023年12月2日)
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、 第537号)
 承認を得て作成した複製品を第三者がさらに複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければならない。


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